定年後も業務委託で働き続けるために覚えておくと良い3つのポイント

2022.01.24

コラム

定年後も業務委託で働き続けるために覚えておくと良い3つのポイント

キャリア寿命が長くなり、定年退職後も働き続けたいと考えている方も多いのではないでしょうか。定年後も求められながら上手く働き続けるにはコツがあります。ズバリ、それは「一緒に仕事をしたい人と思われるかどうか」です。

そんなのは当たり前と思われた方もいると思いますが、では、あなたは「自分は一緒に仕事をしたい人と思われている」と自信を持って言えますか?「言えます!」という方は意外と少ないのではないでしょうか。もしくは思っていても、残念ながらそうではなかったり・・・ということもあります。

「一緒に仕事をしたい」と思われることは仕事を引き寄せるためにとても大切な要素です。会社員として働く場合ももちろん大切ですが、定年退職後に複業やフリーランスなど個人として働く場合は特に大切です。会社員の場合は、会社として仕事が入ってきますが、個人で働く場合は「この人に仕事を頼みたい」「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえないと、仕事の機会そのものが減ってしまいます。

頭で理解する分には当たり前のことだと思うかもしれませんが、実際にそう思われるのが実は難しいというのが現状です。

では一緒に仕事をしたいと求められている人というのはどのような人なのでしょうか。ここでは弊社RD LINKで実際に企業から求められている人材に共通する3つのポイントをお伝えします。

定年後も求められる人材に共通する3つのポイント

1.自分のハッシュタグを増やせる

ハッシュタグというのは最近のSNS文化で生まれた「#〇〇」というもので、説明や特徴ラベルのようなものです。

同じ組織で仕事をしていれば、経験が増えていけばいくほど自分の意見が通りやすくなります。もちろんポジションや年齢から周囲が遠慮してしまう・・・ということもありますが、それとは別の理由で、たくさんの苦難を乗り越えて経験値が増えるので、その説得力のある言葉に周りが自然と納得するからです。

それは周りがあなたを信頼している証拠でもあります。つまり会社で長年にわたり貢献してきたことで、あなたは組織内で通用するたくさんのハッシュタグを持っているからです。

一方、複業、転職、独立などが当たり前になりつつある社会になった今、他の組織でも今の自分のハッシュタグは通用するのでしょうか?

今までの人間関係ではない外部で仕事をする場合、自分についているタグはとても少ない状態です。

例えば、食品メーカーの開発責任者として長年勤めてきたAさんは、外に出ると「Aさん=#食品メーカー#元開発責任者」としての認識からのスタートです。

自社では通用していた「#信頼できる」「#教育熱心」といったタグはなかなか最初から信用してもらえません。

そこから最初のプロジェクトを進めると、「Aさん=#食品メーカー#元開発責任者」に「#新規事業立ち上げ成功者」「#若手研究員指導がうまい」というタグが増えます。

さらにプロジェクトを進めていくと、「Aさん=#食品メーカー#元開発責任者#新規事業立ち上げ成功者#若手研究員の指導がうまい」に「#話をよく聞いてくれる#相談しやすい#信頼できる」とか「#幅広い人脈と知識がある#尊敬できる」というタグが加わっていくのです。

このように、個の力で上手く働いていく場合には、今の組織だから通用しているタグだけで勝負せず、常にタグを増やしてブラッシュアップさせていくことが必要ということです。

言い換えると、外部人材として働くということは、あなたへの信頼はほとんどないところからスタートするので、相手に理解してもらう努力をする必要があります。

相手が何を望んでいるのか、自分の言葉を理解できるのか、受け止めてもらえるのか、いつも以上に配慮しなければならないのです。また、どういうタグをつけてもらいたいのか、相手に良いタグをつけてもらう努力も必要になります。

さて、そのような感じで自分にタグ付けしてみましょう。どのようなタグが何個ぐらい付きますか?

2.研究開発の知識や技術提供だけでなく「相手の成功」をゴールにできる

業務委託契約というのは企業側が何かしら困っていることがあり、そこを助けてもらうために専門的な知見を持つ方にサポートをお願いするという意味合いが強くなります。RD LINKの場合は、食品素材メーカーが新規事業で健康訴求素材を開発したいとか、化粧品メーカーがサプリメントを開発したいとか、医療機器ベンチャーが薬事申請のノウハウが分からず苦戦している、といった具合です。

そんな中で、最初の依頼はゼロからのスタートになるため、「この人なら価値をもたらしてくれるかもしれない」という「かもしれない」で依頼をする企業のほうが多くなります。

一緒に仕事をして、「この人なら間違いない」「頼んでよかった!」ということになって初めて、「また〇〇さんにお願いしたいのですが」「〇〇さん、空いていませんか?」という指名が来ます。

つまり、最初の依頼に価値を提供できなければ次はないということです。初回の仕事で2回目の依頼がもらえるような価値を提供することが重要になります。

同じ組織で長年かけて築いてきた評判や信頼を、短期間に構築しなければならないのが複業や業務委託の大変なところかもしれません。ではどうしたらまた依頼したいという気持ちにさせることができるのでしょうか。

相手が期待している以上のものを提供する。これしかないと思います。それは研究や開発における専門的な技術提供はもちろんですが、どちらかというとマインドの部分が大きいと思います。

相手の伴奏者として相手と一緒に走っていく、時には相手の前をリードして引っ張ったり、後ろから背中を押して走りやすくしたり、相手の行きたい方向に向かって相手のペースにあわせて伴走できれば、「一緒にゴールに向かってほしい」という気持ちが強くなります。

企業によって風土や人数や意思決定スピードや予算は様々です。これまで所属していた企業の基準での判断ではなく、相手の状況に寄り添いながら仕事を進めていくことができるかどうか。自分が成功したい、相手の成功は関係ない、ではなく、相手に成功してもらうことで自分も喜べるような人が「また一緒に働きたい」と思われる人です。

3.謙虚である

同じような経験を持っていても、AさんよりBさんの方のほうが上手く働けているという事例は多々あります。なぜこのような違いが生まれるのか。

その理由は謙虚さの有無です。謙虚は遠慮とは違います。本当は自信があるのに出来ないとへりくだるのではなく、どんな立場の方にも敬意を示すことができるか。

例えば、打ち合わせでコーヒーショップを利用すると、店員さんに「ごちそうさま」とか「おいしかったよ」と一声かけたり、訪問した企業で掃除をしている方に「お疲れ様です」と声をかけたりと、ひとつひとつは小さなことですが、そういった細やかな気配りができるかどうかで大きな差が生まれます。

複業やフリーランスはその業務のプロ人材として求められるわけですが、だからといって「教えてやろう」というスタンスは企業からは非常に敬遠されます。

もしかしたらあなたの所属していた企業と比べると、クライアントとなる企業は技術レベルや意識レベルが低いと感じるケースもあるかもしれません。支援先の企業担当者はあなたよりも10年20年キャリアが浅い方かもしれません。でもだからといって自分の考えに引き込むのではなく、相手に敬意を払い尊重したうえで専門家としての意見や見解を述べるといったコミュニケーションが大切です。

「一緒に仕事をしたい」と思ってもらうには、結局は専門性よりも人間性です。専門性が不要ということではなく、専門性“だけ”では仕事できないということです。人柄というのは言葉だけではなく、佇まいからも伝わります。技術を磨くと同時に人間性にも磨きをかけておきたいものです。

もう一度まとめます。

企業から求められる複業人材の3つの共通点
自分のハッシュタグを増やせる
相手の成功をゴールにできる
・謙虚である

せっかく複数の場所で働くチャンスが広がっている時代。様々な場所で求められる人になり、また自分も一緒に仕事をしたいと思う人と仕事をしていくことができたら、人生はさらに豊かなものになるのではないでしょうか。

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