株式会社沖縄テレビ開発 取締役 新里一樹氏インタビュー

2024.10.04

企業インタビュー

株式会社沖縄テレビ開発 取締役 新里一樹氏インタビュー

今回企業インタビューにご協力いただいたのは、株式会社沖縄テレビ開発取締役の新里氏。

株式会社沖縄テレビ開発は、放送番組の企画・製作や映像メディアコンテンツの制作会社としてこれまでに数多くのメディアコンテンツを通じて情報を発信されてきました。その一方で、メディア事業以外の領域にも積極的に取り組まれています。
今回は新規事業推進としてヘルスケア事業の販売促進、戦略立案のポジションを、RD LINKのエキスパートがご支援させていただきました。

企業紹介

株式会社沖縄テレビ開発
1985年設立。沖縄テレビ放送株式会社の関連会社として、放送番組の企画・製作や映像メディアコンテンツ製作を手掛けてきた。2016年以降は新規事業として、ヘルスケア、不動産、イベント事業などを展開。

プロジェクト内容

『健康訴求素材の販売促進・戦略立案』×『健康食品のエキスパート』
沖縄在来素材を利用した食品の全国展開を見据えた販売戦略を計画。社内的に前例のない新規事業のため、各地域の市場感や地域差による顧客ニーズの知見が足りず、販売戦略の構想に悩んでいたため、社外アドバイザーを求めてRD LINKへ依頼。

社内に知見がない新規領域だからこそ客観性を求めて専門人材の業務委託に頼った

まず初めに、メディア会社でありながら、ヘルスケア事業に取り組まれたきっかけについて教えてください

弊社は沖縄ローカルテレビ局の100%子会社として設立された会社で約40年の歴史があります。時代の変化の中で改めてメディアの本質的な役割はどこにあるのかを社内で議論する過程で、元々は消費者と生産者を繋げる役割を担っていたことが分かりました。

その役割に立ち返った時に、沖縄にも生産者はいらっしゃるわけですが、東京を始めとする商圏から遠いという地理的不利があり消費者と繋がりにくいという課題があります。その課題に対して、消費者と生産者を繋げる役割を私たちメディアが具現化していくことが沖縄の社会的な課題の解決にも繋がるのではないか、という想いが新規事業への取り組みの始まりになります。

そこからどういうものを届けていくべきか色々と検討した結果、沖縄の在来食材であるクーガ芋にフォーカスをあてたというのが今回のヘルスケア事業発端の経緯になります。

なるほど。実際に商品化され、既に上市もされていますよね。新規領域へのチャレンジということで何から始めたら良いのかも手探りの状態だったと思うのですが、どのように進めてきたのでしょうか

そうですね。テーマが決まったあとは、沖縄の農家さんや、沖縄在来の山芋の研究を15年ほどされていた立命館大学スポーツ健康科学部さんに私の方から声をかけさせていただいて、あとは沖縄の事業者の方々にも研究開発のご協力をいただきました。他にも研究開発の全体をコーディネートする役割として、研究開発を熟知された外部のプロのアドバイザーにも入っていただき、まずはわかりやすく整理するためにフェーズを書き出しました。

産業化していくためには研究開発、収穫、加工化、最終的に今まさに取り組んでいる、商品を販売、流通させていくという大きく分けて4つのフェーズに分けて捉え、それを社内で共有しながら、一つ一つクリアしていくという感じですね。

今はインタビュー用にぎゅっと濃縮して、あたかもロジカルに進んだかのように説明していますけど、全然そんなことはなくて(笑)実際は三歩進んで二歩下がるという感じで、行ったり来たりしながら進めてきましたね。

RD LINKがもっと早くサービスを始めていれば開発からお手伝いさせていただきたかたったです(笑)開発の段階から外部のアドバイザーに入っていただいていたということですが、改めて今回正社員採用ではなく、業務委託での外部人材活用を取り入れられた理由を教えてください

客観性を求めていたという点が挙げられます。
客観性を持ってアドバイスをしていただけるほうが、言いづらいことも含めて提言いただけるのではないかなと。事業推進においてそれをすごく大事にしたいなと思っていました。

自分たちだけではどうしても気持ちが前に行くので、森を見ず木だけを見てしまう。そうすると、自分たちが今どこに居るのかが分からなくなってしまいます。また、これは一般論にはなりますが、社内ではある程度階層や階級がありますので、そこに引っ張られてしまうということが起こりがちだと思います。


その点を外部のプロ人材に託していくことによって、客観的に冷静に森全体を見渡せますし、フラットな立場からの意見があることでよりスムーズに事業を進められると考えており、それが外部人材活用のプラスの要素であると思います。

専門人材であるほど採用の難易度が課題となる気づき

ありがとうございます。そのような中でRDLINKにご依頼をいただいたきっかけを教えてください

弊社は中小零細企業ですので、その視線で回答させていただきます。まず先ほどもお伝えしたように客観的に見てどうかということを指摘していただける人材が必要だなと思っていました。食品を作って販売していく事業者に求められる、必要不可欠な社内環境や、商品を市場に出すまでの必要な取り組みはこれまでにも外部の人材に入っていただき進めてきました。

それで、昨年やっと商品の販売を開始したところで、今後はこれまでとはだいぶ違ったフェーズに入っていきます。そこも当然初めての経験になりますが、いきなりその部分を担ってくれる方が、中小零細企業に中途で入ってくれる可能性というのは非常に低く、正社員の採用難易度が高いんですね。

そのときに別の沖縄の会社から御社をご紹介いただいたというのがRD LINKを知ったきっかけです。ちょうど私達が今抱えている、どうやってブランドを作って、どうやって商品を届けていくのかというところを一緒に推進いただけるエキスパート人材をご紹介いただけるということでしたので、ご依頼をさせていただきました。

採用が難しいということを認識していれば、ネットワークを介して探したり、RD LINKさんのようなサービスを探すという行動も出てくるのではないかと思います。

確かに。もっと沖縄での現地セミナー増やさないといけないですね(笑)

着実にステップアップできているという経験は社員の自信にもつながった

実際にRD LINKのエキスパート、業務委託を活用いただいての所感を教えてください

自分たちがこういうことをしたい、こういうことが必要だということに対して、それを具現化できるかどうかはすごく大事で、構想や企画、アイディアがあっても、それを実際に形作って実行することのほうがはるかにレベルとしては難しいです。でも今回私たちが初期段階で構想していたことを具現化できたのは、RD LINKのサービスを活用してエキスパートに支援いただいたからだと思っています。

最初は社外でも社内でもプロジェクトに対して「ハードル高いと思います」という意見もあったのですが、今実際に形にできているので、社内でも「ちゃんとステップを踏めばやれるんだ」という自信に繋がってきていると思いますね。

的確にアドバイスをしていただいたり、関係各所に繋いでいただいてネットワーキングができたりというようなことで、着実にステップアップしてきた実感があるので、それが結果として社員の自信につながっていると捉えています。

やり方次第でできるという自信と経験を御社に残せているのはとても嬉しいです!沖縄とは少し距離もあり、エキスパートとのコミュニケーションはオンラインがメインとなりましたが、コミュニケーションの取り方で意識されていたことや困ったことなどはありますか

今はウェブを活用していくらでもコミュニケーションとれますので、特にコミュニケーションを取るために意識したことや困ったことはありませんが、スタンスとして受け身になるということはしたくないなと思っていました。

こういうサービスを活用する場合、サービスの受け手だからといって、全部やってくれるだろうというスタンスではいけないと思っています。クライアントである自分たちが意見を出さないと、どういうふうに手を差し伸べて良いかプロの方でも分かりづらいところがあると思いますので、「全部やってね」という感じではなくて、「私たちはこれがやりたい、これを今実現したいので、それに対してアドバイスをしてほしい」ということを明確に伝えることはとても意識していました。

受け身ではなくクライアントである受け入れ先の企業が主導を持つことは外部人材の活用ではとても大切だと思います

エキスパート人材の活用でいうと、アドバイザーというだけではなく一緒に並走して取り組んでいる、という形になります。商品のブランドを作るための取り組みを一緒に形作っているという形で進められていて、それが理想としていた形でもあるので良かったと感じています。

エキスパート自身の知見を活かす部分はもちろん、それ以外にも相談させていただいています。例えば販路とか。こういう分野の企業にアプローチをしたいんですけど、お付き合いのある方々いらっしゃいませんか?とご相談し、何名かご紹介いただき実際に少しずつ進んでいるものもあります。

弊社の場合は中小零細企業が推し進める新規事業なので、リソースが限られています。そうした時に重視すべきことはスピード感です。いかに最短距離で進めるかは中小企業の新規事業を行ううえでの非常に重要なテーマだと思いますので、そのためにも知見のあるエキスパートの力を借りられるというのはメリットと感じております。

支援事業の活用について

今回御社は支援事業を活用されていらっしゃいますが、そのあたりの経緯や背景も少しお伺いできますか

私たちが活用させていただいているのは、企業が連携して互いの強みを活かしながら稼ぐ力を高めていく取組みに対する支援事業です。明確に実施したいことは決まっていましたが、これを通じて互いに稼ぐ力を向上させられる沖縄県外の連携企業を探していました。

そこで、RD LINKに相談しました。その後、ご紹介をしていただいた企業とまずは、取組みへの理解や実施内容に関して対話を繰り返し、支援事業への応募を模索していきました。結果として、沖縄県内にある弊社と県外企業の連携で、さらにこれまでの業種業態や事業環境も異なることから、RD LINKは、プロジェクトの進捗管理、両社の意見・方向性の調整、プロジェクト成功に向けてのハンズオン支援をするという座組で支援事業へ申請をしました。

少なくとも2社以上の複数社で連携することがこの補助事業の条件だったとすると、連携先を見つけられないとそのチャンスを逃すことになってしまうということですよね

その通りですね。実施したい内容は既に決まっており、これを通じて稼ぐ力を向上させられる可能性が高いと考えていましたが、いざ申請を前にして、お互いの強みを活かせる連携先をどうやって見つけようかと悩んでいました。

今我々がやりたいことを支援事業の中で実施するためにはどうしたら良いのだろうかと考えたときに、RD LINKへご相談させていただいて実現したという形ですね。

結構同じようなことを感じていらっしゃる企業はあると思うんですよね。こういう課題に使いたいけれどどこと連携したらいいんだろうって。

なるほど。支援事業もいろいろな条件のパターンがあるとは思いますが、今回は連携先企業を見つける必要があるという点は結構大変ですね

今回は結果として連携して進められているのですが、他にももう少し何かうまく連携できる仕組みがあるとRD LINKのサービスの活用の幅も増えていくような気がしますね。

貴重なご意見ありがとうございます。今回補助金制度の中でRD LINKを活用するというひとつの形ができましたので、同じように補助金で事業推進したいという企業様の役に立てるようなサービスを提供していきたいです

外部プロ人材の活用も一つの選択肢

御社は本当に外部との連携や外部知見の活用に積極的だとお見受けするのですが、秘密保持等についてはどのようにお考えでしょうか

秘密保持に関してはRDサポートに間に入っていただいていますので、そういう意味ではかえって安心感があるなと思っています。RDサポート社とのビジネス対ビジネスという守秘義務の契約を結ばせていただいていることで、表現が適しているかわかりませんが担保のように感じています。なので、特段気になるということはありません。

最後にRD LINKの活用を迷っている企業様へのメッセージがあればお願いします

そうですね、繰り返しにはなってしまうのですが、自分たちだけでやるということになると、熱がこもるあまりについつい主観的になってしまう、森の中で迷い込んでしまってなかなか抜け出す糸口を見つけきれないという時も出てきます。

そういったことを考えると、客観性を持った外部の人材の活用は、自分たちの視野を広く持って取り組めることに繋がるかと思います。

いろんな意見を聞いて取り組む、しかもそれが自分たちの専門的な経験として培われる血肉となると思いますので、ぜひ検討していただきたい人材活用の選択肢の中の1つかなと思います。

-本日はお忙しい中ありがとうございました

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