定年後も仕事を続けたいならやっておくべきことは何?
長寿国である日本では、定年後も多くの人が意欲的に働いています。しかし、定年間際になって今後も働きたいと急に思っても、なかなかうまくいかないかもしれません。定年後も働き続けたい人はしっかり準備をしておくことが大切です。
今回は、定年後も仕事を続けたい場合にやっておくべきことをご紹介します。
定年後に仕事を続ける方法
定年後に仕事を続ける方法を知り、自分の理想とする仕事を見つけましょう。
同じ勤め先で働き続けるなら雇用条件は同じ?
安定して働きたいという思いから、定年後も同じ勤め先で働く人は少なくありません。
しかしその場合、定年の年齢が引き上げられるのではなく「再雇用制度」と呼ばれる対応が一般的です。この制度では、これまでの雇用条件は継続されないため、雇用形態などが変わります。
退職後の仕事の選択肢
退職後の仕事探しは大きく分けて2つの選択肢があります。
<再雇用制度>
再雇用制度は、これまで勤めてきた会社で退職後も働くことができるため、比較的選びやすい働き方といえるでしょう。しかし、1度定年退職をしたうえで改めて雇用契約を結ぶため、現役のときとまったく同じ条件で働くことは難しくなります。
<再就職制度>
再就職制度とは、これまでの会社を定年退職した後、まったく別の会社と新たに労働契約を結ぶことです。ハローワークや転職サイトなどを利用して再就職先を探すのが一般的で、これまでとは違う仕事をしたい人やキャリアアップしたい人などに選ばれる傾向があります。
同じ勤め先での雇用形態
再雇用制度を利用した場合の雇用形態は主に3つあります。
<正社員>
「高年齢者雇用安定法」により、定年を過ぎても本人に働く意思がある場合は65歳まで雇用することが義務となっています。そのため、60歳を過ぎても正社員として働くことが可能です。
<嘱託社員>
嘱託社員となった場合は、正社員に比べて給与水準などの待遇が下がります。しかし、勤務時間が短縮されたり業務の負担が軽減されたりするので、仕事で感じる負担は軽くなるでしょう。
<契約社員>
契約社員も嘱託社員と働き方はほぼ変わりません。多くの会社では1年毎に面談などを行って契約を更新します。
その他の働き方
その他の働き方として、最近増えているのが業務委託です。
<業務委託>
業務委託とは、正式には「請負」と「委任」という2つの労働形態を指しています。これらは、企業が依頼した仕事を請け負って、成果物を納品したり業務を遂行したりすることで報酬を受け取るという契約です。
業務委託は再雇用契約と違い、企業と労働者の間に雇用関係が生まれません。そのため、労働基準法などが適用されないのも特徴です。
定年後に仕事をするためにやっておくべきこと
定年後も自分の理想に近い仕事をするために、今からできることがあります。
・役立つ資格の取得
これまでの仕事で得た資格以外に新しく資格を取得すると仕事の選択肢が増えます。また、資格取得は企業からの評価アップにもつながるので、給与水準が下がりにくく定年後でも現役のときと変わらない働き方が実現しやすくなるでしょう。
・人脈を築く
再雇用・再就職のいずれの場合でも、いわゆるツテによって働き先を見つけるケースがほとんどです。日頃から人脈作りを意識しておくと就職の際に有利に働く可能性があります。
・年金について
65歳からは年金を受け取れますが、定年後も仕事をする場合は「在職老齢年金制度」に注意しましょう。定年後も給与を受け取る場合、金額や条件によって年金が減額されたり、場合によっては停止されたりすることがあります。
・退職後に必要な生活費を考える
定年後に現役と同じ水準の給与を受け取れるケースは多くありません。ですので、毎月の支出を計算しておきましょう。これを行うとどれくらいの待遇や条件が必要なのかが具体的になり、定年後の仕事が見通せます。また、無駄な出費がわかると節約にもつながるので、ご家族と一緒に考えてみるとよいでしょう。
・妥協できる条件とできない条件を考える
定年後の仕事に求める条件と妥協できる条件を考えておくと仕事を探しやすくなります。給与などの待遇面だけでなく、自分のやりたい仕事に就くためにも大切なポイントです。
・再雇用にもデメリットはあることを忘れずに
再雇用は勤め先が決まっている分、安心感はありますがデメリットもあります。たとえば雇用形態が変わることで不満を感じたり、役職に就いていた人はこれまでと同じような業務を行えなかったりする可能性があることを理解しておきましょう。
定年後の働き方はどれを選ぶべき?
定年後に自分に合う働き方を見つけるためには、それぞれの働き方のメリット・デメリットを知ることが必要です。
再就職
<再就職のメリット>
- 好きな仕事を選べる
- 働く環境をリセットできる
- 65歳以降も働ける可能性が高まる
<再就職のデメリット>
- 希望の仕事に就けない可能性がある
- 新しい仕事を一から覚える必要がある
- 無職の期間ができる
<再就職が向いている人>
- やりたい仕事がある
- 経験やスキルが十分にある
- 再就職先のツテがある
- 新しい環境や人間関係に馴染む自信がある
- 新しいことを始める意欲が強い
- 仕事が決まらない期間があっても経済的な心配が少ない
定年を機に思い切って新しい仕事にチャレンジし、キャリアアップしたいという人には再就職が向いています。しかし、一時的に無給となるリスクがあるため、安心して仕事探しをするには再就職先のツテや経済的なゆとりをつくっておくことが大切です。
再雇用
<再雇用のメリット>
- すぐに働くことができる
- 慣れた環境で仕事ができる
<再雇用のデメリット>
- 雇用形態が変わり、給与など待遇の質が下がる
- 期限付きなので先が見通せない
<再雇用が向いている人>
- 安定して働きたい
- 新しい仕事ではなく、これまでの仕事を続けたい
- 給与などが下がっても生活に支障がない
再雇用のメリットは、仕事を探す必要がないため、一時的でも無職になる心配がないことです。今の勤め先でこのまま働き続けたいという人には再雇用が向いています。ただし再雇用は多くの場合、待遇の質が下がる傾向にあります。また、再雇用は期間を定めて契約することが一般的なので、1年後に確実に契約更新できるとは限りません。
業務委託
<業務委託のメリット>
- 自分の得意なことが仕事になる
- 働き方が自由で、プライベートが充実する
- 仕事の実績などによって収入を増やすことができる
<業務委託のデメリット>
- 労働基準法が適用されない
- 自分で仕事を探す必要がある
- 収入が安定しにくく、キャリアが保障されていない
- 企業との交渉や確定申告などをすべて自分で行う
<業務委託が向いている人>
- 自分の得意なことが仕事になる
- 経験や実績があり、取引先にツテがある
- 時間の使い方やタスク管理などが自分でできる
業務委託の魅力は自分の得意なことや好きなことが仕事になることです。
その一方で、業務委託は仕事の受注先を自分で見つけなくてはならず、実績を積まないと十分な報酬は得られません。そのため、退職後に業務委託一本で生活するのに向いている人は、取引のできる会社のツテがある人や副業・複業などで十分な実績がある人といえるでしょう。
まとめ
定年後も仕事を続ける場合は、再雇用・再就職・業務委託のいずれかの方法で仕事を探します。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に向いているかどうかを見極めることが大切です。また、定年後に仕事が決まらないと無収入になるリスクがあるので早めに準備を行い、定年後の人生を充実したものにしましょう。
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