定年後の再就職はどうする?仕事探しの方法などを解説

2022.05.25

コラム

定年後の再就職はどうする?仕事探しの方法などを解説

定年後も働き続ける人は少なくありません。老後に必要な資金は多いため、元気なうちにできるだけ働いてゆとりのある生活を送りたいと考えていませんか?定年後に仕事に就くには「再就職」と「再雇用」の2種類があります。また最近では「業務委託」という働き方も増えています。
今回は、定年後の働き方や仕事の探し方についてご紹介します。定年までにはまだ時間があるという方も、ぜひこれからのライフプランに役立ててください。

再就職とは

定年後も働き続けようとしたとき、まずは再就職という道を思い浮かべるのではないでしょうか。再就職は転職と似ているようで、仕事探しの方法や就職後の働き方は全く異なります。まずは再就職について理解したうえで、定年後の働き方を考えていきましょう。

・再就職とは

再就職とは、退職後ブランク期間を経て、これまで勤務してきた会社とは別の会社に就職することです。自分で新たに仕事を探すという点では転職と同じですが、転職は在職中に新たな就職先を見つけて、退職後間をあけずに職を移ることなので本質的には意味が異なります。

・再就職のメリット

再就職をする最大のメリットは、新たな環境でこれまでとは異なる自分の働き方を実現できることです。前職の経験を活かすのはもちろん、趣味で得たスキルを使って新しい仕事を始めることもできます。さらに人間関係が一新されることで、自らの人脈を広げたり思考を深めたりできるのも魅力です。また、65歳以上になっても働き続けられるため、老後の資金に関する不安も解消されるでしょう。

・再就職のデメリット

再就職を目指す際は、自分で仕事を探さなければならないため、多くの時間と労力が必要です。特にシニア世代を対象とする求人は限られており、希望の仕事がなかなか見つからないといったデメリットも予想されます。それに伴い、現役で働いていた頃と比べて給与が下がる可能性があることも理解しておきましょう。また、一から仕事を始めることから覚えることが多く、人によっては負担を感じてしまうかもしれません。

・再就職での仕事探し方法

再就職を目指す場合、次のような方法があります。それぞれサービスや対応が異なるため、自分に合った方法を選びましょう。

<ハローワーク>
代表的な仕事の探し方といえば、ハローワークによる紹介が挙げられるでしょう。ハローワークとは、全国各地に置かれている厚生労働省所轄の職業紹介所です。65歳以上のシニア層をターゲットにした「生涯現役支援窓口」が設置されているため、定年後の再就職についても相談できます。

<シルバー人材センター>
シルバー人材センターとは、全国の都道府県または市町村に置かれる求職支援施設で、定年退職者や高齢者を対象とした仕事紹介を行なっています。他の人材サービスと異なるのは、短期的かつ軽作業の求人を中心に扱っている点で、職業紹介というよりはシニア世代の社会奉仕的活動を支援するための団体といえるでしょう。そのため、安定した収入ではなく、人生の「生きがい」として仕事をしたいという方におすすめです。

<再就職支援>
再就職を目指すのであれば、再就職支援サービスを受けるのも選択肢の一つです。早期退職者や定年退職者一人ひとりに対してキャリアコンサルタントが付き、求人紹介や面接対策、履歴書の添削を行ってくれます。

<転職サイト>
転職サイトには多種多様な業界の求人が集まっており、なかにはシニア向けのものもあります。インターネット上で簡単に登録して仕事探しができる点では、他のサービスと比べて実用性が高いといえるでしょう。

・再就職での働き方

再就職をした場合、今までと同様の働き方ができるとは限りません。ここでは再就職者に見られる定年後の働き方について、厚生労働省の調査結果とともに解説します。

<雇用形態>
雇用形態については、65歳以上の「入職者に占めるパートタイム労働者の割合」が男性で約7割、女性で約9割となっています。65歳以上のシニア向けの求人では、正社員雇用よりも非正規雇用のほうが多い傾向にあるようです。

<給与>
先述のデメリットで挙げた通り、再就職では賃金水準の低下が予想されます。新人であることも理由の一つですが、正社員以外の雇用関係を結ぶことで勤務時間・勤務日数・基本給が減り、結果的に定年退職前よりも給与が下がっているようです。厚生労働省は再就職後の賃金についても調査しており、実際に60~64歳の約7割が「給与が減った」と回答しています。

定年後の就職の現状

高年齢者雇用安定法では、高齢者の雇用を確保するよう「高年齢者雇用確保措置」の実施を義務付けています。
高年齢者雇用確保措置とは、「定年年齢を65歳に引き上げる」「65歳までの継続雇用制度を設ける」「定年制の撤廃」のいずれかを行い、65歳までの雇用を確保しようとするものです。現在この措置を講じている企業は全体の99.8%にも上り、定年後も働き続けられる環境が整いつつあります。
こうした高年齢者雇用確保措置のうち、継続雇用制度の一つとされるのが次で解説する「再雇用制度」です。

再雇用とは

定年退職後の人生を考えたとき、初めて「再雇用」という言葉を知った人もいるのではないでしょうか。場合によっては再就職よりも再雇用のほうが合っている可能性もあるため、併せて把握しておきましょう。

・再雇用とは

再雇用とは、定年退職者が引き続き同じ企業で雇用される制度を指します。先ほど述べた高年齢者雇用確保措置の一つであり、定年退職後新たに雇用契約を交わすため、退職金を受給できるのが特徴です。

・再雇用のメリット

再雇用を利用するメリットといえば、やはり働き慣れた環境で仕事を続けられることでしょう。人事異動や配属先にもよりますが、企業の特質や内情を理解しているというのは再雇用の大きな強みです。専門的な知識を要する業界で働いてきたのであれば、なおさらメリットは大きいといえます。また、働く側も定年後にブランクを発生させることなくスムーズに就業できるでしょう。
加入条件を満たせば継続して厚生年金にも加入できるため、65歳以降に受け取る年金受給額が増えることも利点です。

・再雇用のデメリット

一方、再雇用では雇用形態が変わるため、今までと同じように働こうとしても思い通りにならないのが現状です。再雇用による契約は1年ごとに更新するケースが多く、必ずしも65歳まで働けるとは限りません。また、再雇用などの雇用確保措置の義務は65歳までの人を対象としているため、65歳を過ぎれば再び就業の道を絶たれるケースがほとんどです。
さらに再雇用後は立場が変わるため、定年前までは部下であった社員が自分の上司になり、働きづらさを感じるといったこともあり得ます。また、以前とは異なる部署に配属されたり子会社へ出向したりする可能性があることも理解しておきましょう。

・再雇用での働き方

再雇用の場合でも、定年前と働き方は大きく変わります。引き続き同じ職場で働けるからといって、同様の働き方ができるとは限りません。

<業務内容>
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査では、再雇用における業務内容や責任の変化について「定年前と変わらない」が約44%、「業務内容は同じで責任が軽くなる」が約38%という結果が報告されています。いずれにしても定年前と同じ業務を任せられることが多く、ほとんどの人が今までのスキルや経験を活かせる働き方を実現しているようです。

<雇用形態>
同研究機関の調査によると、60~64歳の雇用形態については正社員が約42%、嘱託・契約社員が約58%、パート・アルバイトが約25%という割合です。多くの企業が嘱託・契約社員での再雇用を行なっており、シニア世代は定年前と大きく異なる働き方をしていることがわかります。

<給与>
定年年齢である60歳の給与を100%とし、再雇用後の給与と比較すると61歳では78.7%が平均とされています。したがって再雇用後は、賃金水準が以前の7〜8割程度まで下がることも念頭に置いておきましょう。

<手当>
再雇用で働く際には、企業からさまざまな手当が支給されます。特に通勤手当が給与額を占める割合は大きく、電車や車通勤になっても金銭的負担はそれほどかわらないのが現状です。

<有給休暇>
再雇用の場合、法律によって継続勤務と判断され、定年前の有給休暇も繰り越されます。現役時代と同様、すぐに有給休暇が取得できることは定年退職者にとっても大きなメリットといえるでしょう。定年後も継続して働きながら、新たに見つけた趣味や活動に時間を費やすといった働き方も叶えられます。

・定年後の再雇用の現状

日経ビジネスの調査によれば、定年後に同じ企業で再雇用されている人の割合は6割以上を占めています。子会社またはグループ会社も含めると約7割が再雇用を利用しているという結果です。
再雇用社員の仕事ぶりに関しては、約7割の企業が「戦力になっている」と評価しており、社会におけるシニア世代の活躍が期待されているといってもよいでしょう。

定年後に活用できる制度

60歳以上になっても仕事を続けたい場合には、定年後に活用できる制度についても確認しておきましょう。上記でも触れたように、定年後に働くシニア世代の給与は現役の頃と比べて減少しているのが現状であり、給付金や制度の利用は再就職を目指すうえで欠かせません。

・高年齢雇用継続給付

高年齢者雇用安定法改正によって60〜65歳までの雇用確保が義務付けられましたが、ほとんどの場合60歳以降の賃金は60歳までの70%以下まで下がります。高年齢雇用継続給付は、その賃金低下を補完するための給付金です。「高年齢者雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の2つがあり、要件や受給期間が異なるため、注意が必要です。

・失業給付金

定年後すぐに働こうとしている場合は失業者として見なされ、失業給付金の受給対象として扱われます。失業給付金はハローワークが窓口となっており、離職票を持参すれば申請することが可能です。

・特例退職被保険者制度

特例退職被保険者制度とは、20年以上同じ会社に勤務し、かつ老齢厚生年金を受給する人が後期高齢者医療制度の対象となるまで、退職前と同じ健康保険に加入できる制度です。国民健康保険に加入する必要がないため、定年後も保険料を安く抑えられます。

・再就職手当

ハローワークでは、退職後早期に働くことが決まった場合に再就職手当が支給されます。ただし、さまざまな適用要件が設けられているため、再就職先の雇用条件などをよく確認しておきましょう。

定年後の再就職や再雇用を成功させるポイント

最後に定年後の再就職や再雇用を成功させる3つのポイントについて紹介します。定年後の人生がより豊かになるよう、しっかりと押さえておきましょう。

・定年後の収支を調べる

再就職、再雇用をする際は、定年前よりも給与が下がることを踏まえ、年金や生活費を含めた定年後の収支を計算しておくことが大切です。今後の生活にどのくらいの給与が必要なのかを確認しておくことで、自ずと定年後の働き方が見えてくるでしょう。

・早めに準備を進める

定年後に理想の働き方を実現するためには、早めに準備を始めることが肝心です。やりたい仕事に目星を付けたり職業紹介サービスに登録したりなど、現役のうちにできることを行っておきましょう。また、やりたい仕事が決まっているのであれば、資格を取得するなどして必要なスキルを身に付けておくのもおすすめです。

・気持ちを切り替える

再就職や再雇用では、今まで積み上げてきたノウハウやスキルを100%活かせるとは限りません。そのため、仕事内容・雇用形態などの雇用条件に関してはキャリアやプライドと切り離し、ある程度の妥協が必要です。定年後の働き方について新たな気持ちで考えることが仕事探しのポイントとなるでしょう。

まとめ

定年後の就職は、どのような働き方をしたいのかによって左右されるといっても過言ではありません。再就職や再雇用は、「仕事が好き」「いつまでも若々しくありたい」といった場合に『第二の人生』としての道を示してくれることでしょう。

今回は大きく触れていませんが、「再就職」「再雇用」に加え、近年増加しているのが「業務委託」という働き方です。専門知識を活かして一定期間だけスポットで企業のアドバイザー業務などを行ったりする仕事です。長期間の安定収入は確保できませんが、自分の好きな仕事を選びながら新しい経験も積めるということで、学びの機会や社会貢献の意味で業務委託の働き方を望まれる方も多くいらっしゃいます。
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