パラレルキャリアとはどのような働き方?気を付けたいポイントとは

2022.06.02

コラム

パラレルキャリアとはどのような働き方?気を付けたいポイントとは

近年は働き方改革により、これまでよりも自由度の高い働き方ができるよう徐々に変化しています。これから新しい働き方にチャレンジしようと考えている方は、どのような働き方があるのかを把握し、自分に向いていそうなものを選ぶことが大切です。
今回は注目が高まりつつあるパラレルキャリアとはどのようなものかをご紹介します。新しい働き方を考えている方はぜひご一読ください。

パラレルキャリアとは

まずはパラレルキャリアがどのようなものか、日本でのパラレルキャリアの現状と併せてご紹介します。

パラレルキャリアとは?

パラレルキャリアは著名な経営学者である、ピーター・ドラッカーによって提唱されました。著書の『明日を支配するもの』でパラレルキャリアは、「本業を持ちながら第二のキャリアを築くこと」と定義されており、ただ金銭的報酬を得るのではなく、自分や社会のために活動することです。
そのため、本業以外の仕事だけでなく、趣味の活動やボランティア、キャリアアップのための準備などもパラレルキャリアに分類されます。

パラレルキャリアが広まっているのはなぜ?

日本の雇用に対する考え方の変化>
かつての日本は年功序列、終身雇用という考えが一般的でした。しかし近年は、次第にフレックスタイム制度やリモートワークのような新しい働き方へとシフトしています。パラレルキャリアは現代人にとって注目の新しい働き方なので、今後も徐々に広まっていくでしょう。

<企業寿命が短くなっている>
日本では企業寿命が短くなりつつあります。一度就職しても企業が倒産に追い込まれれば再び就職活動が必要です。しかし、パラレルキャリアがあることで不測の事態に備えることができます。

<企業側の考えの変化>
パラレルキャリアは企業へのメリットもあります。個人のマネジメント能力やスキルが向上することで、所属の企業にも能力が還元されるからです。よって自社以外の活動を認める企業が増加しているといえます。

<技術の発達>
インターネット技術の発達により、ネット環境さえあれば簡単にコミュニケーションが取れるようになったのも大きな要因です。手間や移動を必要としないので、パラレルキャリアの時間が取れるようになりました。

パラレルキャリアのメリット

ここからは、パラレルキャリアのメリットを6つご紹介します。

・新しい経験を積むことができる

自社では得られない経験ができます。新しいものに触れることで、これからのキャリアを考える際に新しい選択ができる可能性もあるでしょう。また、知識や経験を得ることで、本業などにもよりよい影響を与える可能性もあります。自分の可能性を広げることができるのが、パラレルキャリア最大のメリットとも言えるでしょう。

・人脈づくり

パラレルキャリアでは、人とのつながりも貴重な財産です。本業だけではかかわることがなかった人も、パラレルキャリアを通じて親交を深めることができるでしょう。自分自身の活動内容や活動範囲によって、人脈はどこまでも広げることができます。人脈が増えることで、仕事以外にも多くの利益やチャンスが生まれることもメリットの一つです。

・自己管理スキルの習得

パラレルキャリアをしている人は、本業のみの人に比べて多忙になります。そのため、自分自身の体調や時間、お金、業務内容など多くのことを管理しなくてはなりません。個人事業主の場合は収支管理や確定申告など、お金に関する事務も必要です。
これらの作業を通して、自己管理スキルや経理スキルを身につけることができ、マネジメントスキルの向上に役立つでしょう。

・自分を見つめ直すきっかけになる

所属企業とは別の活動をすることで、本業や自分自身をより客観的に見つめることができます。本業のみでは新しい視点を得ることが難しくても、パラレルキャリアで異なる業務や経験を得ることで、新たな視点を手に入れられるでしょう。より具体的に今後のことを考えられるだけでなく、本業で何が必要か、どうすればより良くなるのかなど、成長や効率アップにもつながります。これまで気付かなかった新たな得意分野も見つかるかもしれません。

・夢に踏み出す機会になる

パラレルキャリアは新しいことに挑戦しやすいところもメリットです。これまでハードルが高いと感じていたことも、パラレルキャリアなら失敗のリスクが少ないので、気軽に挑戦できるようになるでしょう。諦めてしまった夢がある場合も、パラレルキャリアを通じて実現できるようになるかもしれません。
また、いずれ本業にしたいと思っている職業も、本格的に始める前にパラレルキャリアを通じて具体的な経験や知識を得られるでしょう。

・収入アップ

金銭的報酬が発生することをパラレルキャリアにした場合、収入のアップも見込めます。
本来、パラレルキャリアは収入増加以外を目的としていますが、取り組む内容によっては新たな収入源にもなり得ます。経済的余裕ができることで、今後の活動がさらに広がる可能性もあるでしょう。

パラレルキャリアを始める際の注意点

これからパラレルキャリアを始める方は、以下の4点に気を付けましょう。またすでに始めている方も、自分が注意点を守れているのか、振り返ってみてください。

・やりたいことや目的を明確にする

パラレルキャリアはなぜ取り組むのか、目的を明確にしておくことが重要です。目的が明確になっている場合、必要なことも明確になります。しかし、なんとなくで始めてしまうと、何をすればいいのかわからず、思ったようなスキルの獲得やキャリアアップが難しくなる可能性があります。

実際にエン・ジャパン株式会社が実施したパラレルキャリアについてのアンケートでは、パラレルキャリアの考え方に共感できるという回答は90%と高い数字でしたが、実際にパラレルキャリアをしている人はわずか26%でした。パラレルキャリアをしない理由として、「明確に何がしたいか定まっていない」が最も多くを占めています。

しかし、パラレルキャリアをしていないものの、82%の方は「興味がある」と回答しています。この結果から、多くの人が始めるための目的を見出せずにいることがわかるでしょう。そのため、パラレルキャリアを始める場合は目的を明確にし、活動中は目的から離れすぎないように意識することが大切です。

・時間やお金の使い方

パラレルキャリアを始めることで、これまで自由に使えていた時間やお金が減ってしまうことがあります。パラレルキャリアはあくまで本業を減らさずに休日や本業が終わった後に取り組むため、スケジュール管理がうまくできていないと心身への負担が大きくなり、続けられなくなる可能性もあるでしょう。また、本業での業務内容によってはパラレルキャリアの繁忙期と重なってしまう可能性があることも考慮が必要です。

加えて、パラレルキャリアは取り組んでも収入が得られないこともあります。活動内容によっては反対に費用が発生することもあるため、時間とお金の使い方はきちんと管理しなくてはなりません。

・所属企業への配慮

たとえ収入が発生しないものであっても、副業を認めていない企業に所属している場合は、パラレルキャリアも副業と思われてしまう可能性があります。また、パラレルキャリアを始めることで本業への支障を不安に思われることもあるでしょう。

パラレルキャリアを始める際は事前に本業の勤め先にパラレルキャリアに関する制度があるか、パラレルキャリアが認められるかを確認しておくことが大切です。企業によっては認められていても、事前に申請が必要なこともあります。隠していると、発覚した際に何かやましいことがあるのかと誤解されかねません。

まずは企業側に取り組みたいパラレルキャリアの内容や、パラレルキャリアがどういったものなのかの理解を得られるようにしましょう。

・徐々に調整していくことが大切

パラレルキャリアを開始してすぐに空いている時間をパラレルキャリアで埋めてしまうと、急な変化に心身が追い付かない可能性があります。まずは少なめの時間をパラレルキャリアに充て、慣らすことから始めましょう。数日であれば負担を感じないかもしれませんが、パラレルキャリアは長期的に取り組むことが必要なので、気付かない間に疲労がたまっていることもあります。

パラレルキャリアをうまく始めるためのポイント

パラレルキャリアをうまく始めるためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。特にこれからパラレルキャリアを始めたいと考えている方には重要なポイントです。

・やりたいことや目的をリストアップ

パラレルキャリアを始める目的が見つからない場合は、まずやりたいことや目的をリスト化してみましょう。目的が見つからない場合は興味があること、好きなこと、得意なことなどでも構いません。リスト化に正解はないので、自由に考えてください。子どものころの夢、一度は諦めてしまったことなどでも、パラレルキャリアの新たな目的になる可能性は十分にあります。特に、生きがいややりがいを感じられることがある場合は、積極的にパラレルキャリアの候補として考えてみましょう。

・反対にやりたくないことを考える

やりたいことや目的と同様に、反対にやりたくないことも考えてみてください。やりたくないことや嫌なこともリスト化し、やりたいこととして挙げた中にやりたくないことが含まれていないかを確認してみましょう。
また、やりたいことを実現した自分を想像してもあまり気持ちが高ぶらないのであれば、パラレルキャリアには向いていないかもしれません。
パラレルキャリアは長期的な取り組みが必要なので、やりたくないことや熱意が入らないものはモチベーションが続きにくいからです。やりたいことと照らし合わせて、熱意をもてるものややりたくないことを洗い出してみましょう。

・どのような方法でパラレルキャリアを始めるのかを考える

パラレルキャリアの内容が決まったら、どのような方法で始めるのかを考えてみましょう。
パラレルキャリアの始め方はさまざまな方法があります。たとえば、交流会や勉強会などは同じことを目標としている人と出会いやすくなるため、一緒に頑張る仲間を見つけられます。とにかくすぐに始めたい場合は、ボランティアやクラウドソーシングで経験を積むことができるので、自分が何を優先したいのかを考えてみましょう。
目的に適した方法で始めることができれば、よいスタートを切ることができます。よいスタートは今後頑張るための意欲にもつながるため、始める方法にどのような種類があるのか、特徴と併せて比較してみましょう。

まとめ

本業では思うように好きなことや興味のあることに取り組めなくても、パラレルキャリアであれば取り組める可能性があります。RD LINKは理系のプロが活躍できるサポートをしていますので、新しいキャリア形成としてRD LINKでパラレルキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。

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