理系の専門性を活かしたセカンドキャリアを見つけるための4つのポイント

2024.03.05

コラム

理系の専門性を活かしたセカンドキャリアを見つけるための4つのポイント

50代・60代の世代は、仕事面では職務の変化、役職定年、定年退職など、またプライベート面では介護、子供の自立、家族や自身の体調の変化といった人生の節目を迎えている方が多いのではないでしょうか。

公益財団法人が実施した調査によれば、役職定年になった人の90%以上が給料が減少し、約40%の人が給料が半分以下になっていることがわかっています(50代・60代の働き方報告に関する調査報告書、公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団が2018年7月に実施)。

そうした仕事もプライベートも変化が大きくなることを予測しておき、早めにセカンドキャリアを考えておくことが、より幸せなセカンドキャリアを手に入れるためには重要です。

今回は、より良いセカンドキャリアを見つけるための4つのポイントをお伝えします。
また、RD LINKは食品や医薬品、医療機器、化粧品領域での研究、開発、品質、生産などの理系職の方のセカンドキャリアを支援しています。この領域のスキルを保有する人材は市場に少なく、セカンドキャリアとして経験を活かして働くチャンスは広くあります。本コラムでは理系の専門性を活かしたセカンドキャリアの見つけ方にも触れたいと思います。

研究や開発、品質管理、生産技術などの専門性は市場価値が高い

セカンドキャリアといってもどんな仕事をどのようにしたいかは人それぞれですが、長年培ってきたスキルを活かして働くことができれば、未経験の仕事をするよりも貢献度も働きやすさも高くなります。

ここでひとつUさん(仮名:60歳男性)の実例をお伝えします。
Uさんは外資系の大手医療機器メーカーに長く勤務されていましたが、定年まであと1年という時期に会社都合で退職となりました。 「きっとどこかに転職できるだろう」と退職時には余裕があったそうですが、いざ転職活動をしてみると年齢という大きな壁にはばまれ転職先がなかなか決まらず、段々と自信を失っていた時にRD LINKを見つけられました。

医療機器の薬事という専門性が高く立派なご経験でしたが、ご自身ではそれを強みと感じておらず、ご面談では「専門性って売りにならないですね。どこの会社でも通用するスキルや経験じゃないので…」とマイナスな発言をされており、経験を活かすということにあまりこだわらずに幅広くセカンドキャリアとして次の仕事を探されていました。

長年Uさんがいた医療機器業界は高い専門性が要求される業界です。ましてや開発製品の薬事申請をされていた方はなかなかいません。医療機器の薬事という市場では非常にニーズの高いスキルではあったのですが、正社員としての転職しか頭になかったため、Uさんのご年齢やスキルと応募企業との組織バランスとがなかなか合わず良いご縁を見つけられずにいました。

Uさんには医療機器の薬事の知見を活かしていただくため、薬事人材を求めていたスタートアップベンチャー企業をご紹介させていただき、フルタイムの正社員ではないものの、先方との要件や相性がフィットして医療機器の薬事のポジションで仕事が決まりました。

実はUさんのように理系職種の方は「専門性が高い=汎用性がない、範囲が限定的」ということで、専門性の高さを弱みとして捉えている方が多くいます。それゆえに、せっかくの強みを活かしたセカンドキャリアの見つけ方に苦戦している方も多いです。

理系の専門性を活かしたセカンドキャリアを見つけるための4つのポイント

では、どうすれば、研究や開発、品質や生産関連の理系職経験を活かせるセカンドキャリアを見つけることができるのでしょうか?その4つのポイントをご紹介します。

①得意とする領域や専門的な知識、技術、自分のできることを棚卸する

まずは自分自身が「できること」をもう一度振り返って整理してください。特にRD LINKがご支援している食品や医薬品、医療機器、化粧品の研究や開発など理系専門職に従事されてきた方というのは、その経験が市場では非常に価値の高いものになります。

予防医療や健康寿命増進への意識の高まりにより、スタートアップベンチャーや大手企業内の新規事業進出が増える中で、専門知見のある人材がいないという仕事と人材の需給バランスが起きています。セカンドキャリアで「やりたいこと」も大事ですが、長年キャリアを積み上げてきたベテランだからこそ「できること」に目を向けて、キャリアを棚卸してみてください。

②体力や家族の状況など今の自分の環境を整理する

最初にお伝えしたように、ほとんどの方が何らかの人生の節目を迎えていると思います。自分が今までと同じ状態で仕事に集中できそうかどうかも一度整理してください。

これまでは仕事を変える、セカンドキャリアを考えるというと、その先に見えるのは転職という選択肢のみだったかと思います。しかし、今は週3回の雇用や、RD LINKの保有案件のように特定分野の知見を保有するプロ人材として業務委託で企業を支援する、という働き方もあります。

自分の気持ちだけでなく体調や、家庭の状況なども踏まえた上で、1年先、3年先までに起こりうる状況変化の可能性を整理しておくことをお勧めします。その中で仕事と向き合える時間がどれぐらい取れるのか、どういう働き方であればリスクが少ないかを見つけてみてください。

③報酬や雇用形態など妥協できる点を見つける

できることも棚卸し、環境も確認し、今後の働き方はこれでいこう!と決めた後に必要なのは、その実現性です。全てが実現できる企業は残念ながらありません。情熱や想いはもちろん大切ですが、妥協点を見つけることも必要です。

専門スキルを活かして貢献したいことを最優先と置いた場合、報酬や雇用形態など自分自身が譲れること、譲れないこと、その許容範囲についても考えておきましょう。妥協というとネガティブな印象になりがちですが、優先順位が明確になっていないと、目の前の情報に左右され、判断の軸がブレてしまうリスクがあります。

④エージェントを利用する

自分のことをよく知っている家族や友人の意見は参考になります。最高の応援者でもある彼らの意見に耳を傾けることは大切ですが、転職や起業、副業などのキャリア選択について精通している方はほとんどいないでしょう。

キャリアについてはキャリアのプロである人材エージェントの力をぜひ借りてほしいと思います。①~③で整理した情報を片手にエージェントに相談することで、自分の考えにプラスしてプロの意見を聞くことでさらに視野が広がります。市場の情報や企業の案件の情報を持っているのもエージェントならではの強みです。

研究、開発、品質、生産関連の経験を活かした業務委託という働き方

今の時代はこれが正解というものはありません。終身雇用で一つの会社で勤め上げることが当たり前だった時代は終わりました。会社員をしながら副業したり、早めに退職して起業したり、再雇用されながら個人でも仕事を請け負ったりと、働き方も多様化しています。

RD LINKは食品や医薬品、医療機器、化粧品領域での研究開発、商品開発、品質管理、生産管理などの理系職の方のセカンドキャリアを支援しています。専門性が高い分野だからこそ、知見を活かして「その分野のプロ人材」としてアドバイスすることが可能であり、その知見を求めている企業も多くあります。

4つのポイントを整理しながら、業務委託の働き方に興味を持たれた方はぜひRD LINKにも登録してみてくださいね。

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