セカンドキャリアとは何?年代別の見つけ方を解説

2023.12.22

コラム

セカンドキャリアとは何?年代別の見つけ方を解説

医療技術の発展により、人生100年時代と言われる現代では、仕事への考え方が変化しつつあります。充実した生活を送るには、長い目で将来設計をすることが大切であり、将来設計のためにも考えておきたいのがセカンドキャリアです。

今回はセカンドキャリアについて解説します。年代によって探し方やポイントが異なるので、これからセカンドキャリアを考えたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

セカンドキャリアとは

まずは、セカンドキャリアの基本を解説します。

セカンドキャリアとは?

セカンドキャリアとは、もともとはスポーツ選手が現役引退後に異なる職業に就くことを意味する言葉でした。しかし近年では、定年退職や早期リタイア、出産・育児の終了などの人生の節目において、キャリアチェンジやキャリアアップをする意味合いで使われています。
つまり、セカンドキャリアとは「第2の人生における職業」です。

なぜセカンドキャリアへの関心が高まっている?

セカンドキャリアへの関心が高まっている大きな理由として、寿命が延びていることが挙げられます。これまでは、人生は教育・仕事・老後の3ステージで構成されるという考え方が主流でした。しかし、現代では仕事・老後の境界線を決めず、あらゆる人が長期に活躍できる社会が望ましいとされています。

また、以前は「幸せ=定年退職や結婚」と言われる傾向がありましたが、価値観が多様化し、幸せに対する考え方も人それぞれ異なって当然という考え方が主流になりつつあります。

そのような背景から、第2の人生の幸福度を大きく左右する要素であるセカンドキャリアは、さまざまな世代から高い関心を集めているのです。

セカンドキャリアの必要性

セカンドキャリアが必要とされるのには、大きく2つの理由があります。一つは終身雇用制度を導入しない企業が増えてきていることです。新卒で入社した企業で定年まで働き続けるケースは、近年では徐々に減りつつあります。

もう一つはIT技術の発展により、これまで当たり前だった職業や働き方を見直す必要が出てきたことです。早期にセカンドキャリアを意識して企業に必要とされる人材になることにより、充実した働き方・生き方が実現可能になります。

30~60代の年代別セカンドキャリアを考える際のポイント

年代別におけるセカンドキャリアのポイントを紹介します。

30代

<目的>
30代のセカンドキャリアの主な目的は、スキルの転身です。20代は目の前の仕事をこなすのに精一杯だったという人も少なくないでしょう。30代になるとこれまでの経験の蓄積から、仕事の安定感も出てきます。少し余裕が生まれることで、これから先の人生を考えるケースが増え、セカンドキャリアを考える人も多くなるでしょう。

<ポイント>
30代のセカンドキャリアで気を付けたいのは、自分の気持ちを優先しすぎることです。その結果十分な知識やスキルがないまま退職し、転職がスムーズに進まないケースもあります。30代の中途採用が多いのは事実ですが、自分の理想とするセカンドキャリアを実現するためには、十分な準備が必要になることを覚えておきましょう。

<具体例>
30代のセカンドキャリアでは、まずは自分のキャリアを正しく棚卸することから始めましょう。これまでに携わったプロジェクトを洗い出し、自分の役割や実績を書き出します。書き出すことで自分の成果や強みが明確になり、これから先の働き方・生き方のビジョンが見えてくるでしょう。また、自分に足りないものも見えるので、セカンドキャリアへの移行のタイミングを誤るリスクも回避できます。

30代でセカンドキャリアを実現するには、資格の取得やセミナーの受講などが必要になるケースも少なくありません。時間や費用などの計画を立て、無理や無駄のない準備をすることを心がけましょう。

40代

<目的>
40代では、スキルアップを目的にセカンドキャリアを考える人が多くなります。というのも、この年齢になるとファーストキャリアにおけるゴールが見えてくる傾向にあるからです。また、子育てや介護など、家庭の事情で今後の人生を考える必要に迫られることもあるでしょう。

<ポイント>
40代のセカンドキャリアで重要なのは、現状を俯瞰(ふかん)して捉えることです。40代になると、自分だけの問題としてキャリアを考えることができない場面が増えてきます。収入アップやキャリアアップ、やりがいだけでセカンドキャリアを決めてしまうと後悔するかもしれません。
また、現状を正確に把握できないままセカンドキャリアに移行すると、理想と現実のギャップが大きくなったり家族への負担が増えたりすることがあるので、注意が必要です。

<具体例>
40代のセカンドキャリアも30代と同様、自分のキャリアの洗い出しから始めます。その後、どのようなキャリアを築きたいかを具体的に考えましょう。それに加え、ワーク・ライフ・バランスも重視してください。この年代のセカンドキャリアは家族への影響も大きいので、事前に家族ともよく話し合うことが大切です。家族の協力を得られれば、精神的・金銭的・時間的に負担の少ないセカンドキャリアを実現できるでしょう。

50代

<目的>
50代では、自分の意思を優先したセカンドキャリアを実現しやすくなります。一般的に子育てが一段落して、経済的・時間的なゆとりが生まれるためです。
とはいえ、この年代でのセカンドキャリアは大きな決断になることに変わりはありません。これから先もっと自分らしく充実した働き方・生き方をするために、キャリアを見つめ直すのに最適なタイミングとして捉えておきましょう。

<ポイント>
50代でのセカンドキャリアは、新たな挑戦とも言えるでしょう。今の安定した働き方を守るのか、新しいキャリアを求めて挑戦するのか、どちらを選択すべきか迷わない人はいません。
そこで大切なのが、「これから先、どんな生き方をしたいか」を自分軸で考えるということです。今の時代、セカンドキャリアを考えることはとても自然なことなので、自分の気持ちを大切にしましょう。

<具体例>
50代でのセカンドキャリアには、主に3つの選択肢があります。

  • 定年まで今の会社で働く
  • キャリアアップを目指して転職する
  • 独立して新たなキャリアを築く

セカンドキャリアとして3つの選択肢を選んだ場合を想定し、それぞれをよく比較しましょう。自分にとって最もメリットや魅力のある選択肢を見極めることができれば、セカンドキャリアでつまずくことはないでしょう。

60代

<目的>
60代のセカンドキャリアは、定年後を充実させることを主な目的としています。これまでは、定年退職後は家でのんびり過ごすことが多い傾向でした。しかし、現代社会では60代の労働力を必要としており、まだまだ現役で働きたいという方も増えています。60代でのセカンドキャリアは、今後の人生を左右する大きなターニングポイントになるかもしれません。

<ポイント>
60代のセカンドキャリアは、これまでの経験を活かせるかが重要なポイントです。定年年齢が延長し、少子高齢化による人手不足も深刻なので、あなたを必要とする企業に巡り合える可能性は十分にあります。
また、今だからこそ新しいことにチャレンジしたいという人も少なくないので、意欲的に自分らしい働き方を探していきましょう。

<具体例>    
60代も50代と同様、セカンドキャリアの選択肢は3つありますが、転職・独立を選ぶ人が多いようです。なかには今の会社での再雇用を選ぶ人もいますが、今後の人生を考えて自分の意思を優先した働き方を模索するのもよいでしょう。

まずは自分と向き合うことから始めると、後悔のないセカンドキャリアを実現しやすくなります。

年代以外にセカンドキャリアを考えるタイミング

セカンドキャリアを考えるタイミングは、年齢だけではありません。

ライフステージの変化

一般的に、女性のほうがライフステージの変化の影響を受けやすいとされています。出産や育児などのタイミングでセカンドキャリアを考えるのは、自然な流れだと言えるでしょう。

また、子どもが成長して独り立ちしたなど、子育てが一段落したタイミングもセカンドキャリアを考えるのに適しています。家事や子育ての時間が減り、自分の時間が増えることで、これまでとは違う仕事や働き方を求める人も少なくありません。

どのような人が必要とされる?

セカンドキャリアで必要とされる人材には、複数の共通点があります。これから紹介するポイントを押さえてセカンドキャリアに備えれば、スムーズに転職活動を進められるでしょう。

高い専門知識がある

企業が中途採用を実施する理由として最も多いのが、「専門分野の高度な知識やスキルをもつ人材が不足しているため」です。つまり、セカンドキャリアには特定の専門分野における知識やスキルがあると有利であると言えます。

経験や実績がある

企業が中途採用を実施する理由として2つ目に多いのが、「新卒採用だけでは補充できないため」です。どんなに優秀な人材を採用しても、新卒では経験や実績がなく、即戦力にはなりません。自分のキャリアや強みを洗い出し、企業で即戦力として活躍できることをアピールしましょう。

柔軟性・チャレンジ精神がある

これからは経験や知識に加え、新しい風を吹き込んでくれる人材が必要とされます。これは、従来のやり方では解決できない課題に対して、新しい視点から解決策を見いだすことが求められているからです。ファーストキャリアの実績だけでなく、広い視野や柔軟性、コミュニケーション能力などに優れた人ほど理想的なセカンドキャリアを実現できるでしょう。

セカンドキャリアを見つけるポイント

セカンドキャリアの見つけ方は人それぞれです。後悔しないセカンドキャリアにするためにはコツがあります。

セミナーや講座に参加する

最近では、セカンドキャリアをテーマにしたセミナーや講座が多数開催されています。セカンドキャリアの見つけ方や進め方、失敗しないためのポイントなどを知ることが可能です。また、実際にセカンドキャリアを実現した人の話を聞けるセミナーもあり、セカンドキャリアをより身近に感じられます。

セミナーに参加することで、セカンドキャリアという同じ目標をもつ仲間と知り合えたり、転職につながる人脈を作ったりすることも可能です。自分と似た立場の人に出会うことで悩みを共有したり刺激を受けたりできるので、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

公共支援サービスを利用する

セカンドキャリアへの不安がある場合は、公共の支援サービスを利用するのも一つの方法です。支援サービスには、以下の2つがあります。

<厚生労働省が設置したハローワーク>
これまで、管理職や専門職で働いていた中核人材の再就職を支援することも可能です。セカンドキャリアでは、これまでの経験を活かした働き方がしたいという方がサポートを受けることができます。

<公共団体が運営するシルバー人材センター>
さまざまな職種への転職を支援する施設です。経理事務や福祉サービス、翻訳などがあり、これまでの経験を活かしつつ新たな職業にもチャレンジしやすいでしょう。

転職エージェントに相談する

転職エージェントとは、登録者の希望する求人を紹介する転職サービスのことで、セカンドキャリアに詳しいアドバイザーとともに転職活動を進められることが特徴です。自分の希望に近い求人を紹介してもらえるのが転職エージェントの最大の魅力ですが、転職活動における不安や悩みにも寄り添ってくれます。

転職は人に相談しにくく孤独になりがちですが、さまざまな面でサポートしてくれる味方がいることで、安心してセカンドキャリアへの準備を進められるでしょう。

セカンドキャリアを成功させるために必要なこと

セカンドキャリアを成功させるためには、事前準備や行動力が必要です。万全な準備をする人ほどセカンドキャリアを充実させているので、ぜひ以下の項目を参考にしてください。

ライフプランを考える

セカンドキャリアでは、今後どのような生き方をしたいのかを具体的に考えることが大切です。今の仕事が嫌だから辞めたいという理由で、何も考えずにセカンドキャリアを選んでも失敗する可能性が高くなります。

セカンドキャリアを考える際は、以下のようなポイントで人生の目標となるライフプランを描いてみましょう。

  • 何歳まで働くか
  • どのような仕事を選ぶか
  • セカンドキャリアのゴールはどこか

目標を具体的に決めることで、次にやるべきことや必要なことを判断しやすくなります。また、セカンドキャリアによる家庭の変化や経済的な負担について事前に検討しておくと、ストレスの少ない転職が可能です。

目標から逆算して考える

セカンドキャリアでは、目標から逆算して考えることが大切です。上記で考えたライフプランをもとに、数年先の目標を決めて、それを実現させるにはいつ何をすればいいのかを考えます。そのベースに自分のやりたいことや家庭の状況などを組み込むと、バランスの取れたセカンドキャリアになるでしょう。

自己分析をする

セカンドキャリアで成功するためにはあらゆる選択肢からキャリアを選ぶ必要がありますが、そのためには徹底した自己分析が欠かせません。これまでの実績や他者評価、強み・弱みを明らかにすることで自分の本当の姿が見え、セカンドキャリアの方向性を決めやすくなるでしょう。

経験を積む

セカンドキャリアでは、年齢が高くなるほど高い知識やスキルを求められます。ファーストキャリアで十分な実績があっても、それに甘んじていては成長できません。これまで以上に学びや経験の量を増やし、知見を広げていきましょう。これを繰り返すことにより、時代に取り残されない有能な人材として活躍することが可能です。

やりたいこととできることについてバランスを考える

セカンドキャリアでは、やりたいことを優先して考えます。しかし、「やりたいこと=できること」ではありません。やりたいことにこだわりすぎるとスムーズな転職を妨げることにもなりかねないので、気を付けましょう。

副業(複業)をする

現在は副業という働き方も広がっています。業務委託は企業に雇用されている方やフリーランスの方、定年退職した方など誰でも可能な働き方です。転職や独立をする前に、どのような仕事や働き方が自分に合っているのか、やりたいこと、できることは何なのか、を試すことができるため、セカンドキャリア成功へのスモールステップが踏めます。どんな小さな仕事でも経験として実績になり、自己分析をさらに深めるためにも役立つでしょう。

待遇面にこだわりすぎない

セカンドキャリアでよくあるのが、待遇面の理想を高くしてしまうことです。特に、年代が高くなるほど待遇面にこだわるあまり、次の仕事が見つからないケースもあります。このような事態を避けるためには、待遇面で絶対に譲れないポイントや妥協点を決めておくことが大切です。

給与における妥協点を決めるためには、今の生活を見直し、今後の人生で必要になる資金を具体的に計算しましょう。毎月どの程度の生活費がかかっているのか、教育費や老後にどれくらいのお金が必要かなどを想定すれば、必要な給与額が明らかになり折り合いをつけやすくなります。

資格取得をする

資格の取得は知識の証であり、セカンドキャリアにおいて優先度の高い項目です。信頼性を高める役割もあります。自分の目標達成に必要な資格であれば積極的に取得し、知識やスキルを高めましょう。

時代やニーズに対応する

今の時代は変化が激しく、これまでの経験や常識が通用しないシーンも出てくるでしょう。そのため、セカンドキャリアには時代のニーズに対応できる柔軟性も求められます。チャットツールやAIなどデジタルツールも発展していますので、これまでのやり方に固執せず臨機応変に対応できる人は、長く社会から必要とされるでしょう。

まとめ

セカンドキャリアを考えるタイミングは人それぞれですが、十分な実績や経験を積み、高い専門性や幅広い知識がある人ほど転職活動を有利に進められるでしょう。

セカンドキャリアで成功するためには、見つけ方も大切です。1人で人生設計を行ったり資格を取得したりして転職活動を行うこともできますが、プロである転職エージェントに相談することで、より理想に近いセカンドキャリアを実現できる可能性が高まります。

また近年は副業やパラレルワークといった業務委託で複数の仕事を経験することも可能になっています。会社を辞めなくてもチャレンジできるため、現状を大きく変えずにやりたい仕事、できる仕事を見つける第一歩としておススメです。

RD LINKでは、食品や医療機器、ヘルスケア領域の理系職経験を持つ方の副業(複業)をサポートしています。ご相談いただければ、理系専門職に詳しいアドバイザーが活動を全面的にサポートいたしますので、セカンドキャリアに向けて副業からチャレンジしてみたという方は是非お気軽にご登録下さい。

関連記事