パラレルワーカーとフリーランスの違いは?それぞれのメリット・デメリット

2023.01.18

コラム

パラレルワーカーとフリーランスの違いは?それぞれのメリット・デメリット

近年は働き方が多様化しており、企業勤め以外にパラレルワーカーやフリーランスが増えています。どちらも自由度が高い働き方ですが、それぞれの特徴や違いについて把握しておかないと後悔してしまうかもしれません。
そこで今回は、パラレルワーカーとフリーランスの特徴や違いについて解説します。これからパラレルワーカーやフリーランスとして働きたい方は、ぜひご一読ください。

パラレルワーカーとは

新たな働き方の一つとして最近注目されているパラレルワーカーですが、具体的にどのような働き方をするのでしょうか。概要と併せて、メリットとデメリットも紹介します。

パラレルワーカーとは?

パラレルワーカーの「パラレル(parallel)」という言葉は、「平行・並行」という意味です。つまり、2つ以上の仕事を同時並行して行うことを指し、複数の仕事を掛け持ちしながら働く人のことをパラレルワーカーと呼びます。
また、パラレルワーカーには本業・副業などの概念がなく、仕事に優先順位がないことも大きな特徴と言えるでしょう。パラレルワークをする目的は収入を増やすだけでなく、別のキャリアを形成するという意味合いも強い傾向にあります。

パラレルワーカーのメリット

<自由度が高い働き方>

パラレルワーカーには定まった就労時間が存在しないため、自分の好きな時間に仕事ができることがメリットです。午前中に用事を済ませて午後から働くといったことも可能で、時間的な拘束を感じることがなく、自分の都合に合わせて自由に仕事のスケジュールを決められます。
また、会社の規則にも縛られることもなく、髪を自由に染めたりネイルをしたりと、好きな身なりで自分らしく働ける気楽さも人気の理由です。

<スキルアップができる>

パラレルワーカーは自分自身の力で仕事を得なければならないことから、スキルアップが期待できます。企業のブランド力ではなく、自分自身で仕事を請け負うためには信頼に足る技術力を磨く必要があるからです。また、異業種間でのパラレルワークをしている場合は、それぞれの仕事に関する技術力が高まるため、複数の能力を同時に身につけられます。

<複数の収入源が確保できる>

収入源を1か所だけに限定しないパラレルワーカーは、複業の数に応じた収入源をもっています。企業などで働いている場合、収入源は企業からの給与のみですが、パラレルワーカーは複数の収入源を確保できることが特徴です。収入源が1か所に限られている場合と違って、リスク分散ができていることから、取引先に経済的な問題が起こった場合でも、無収入になる危険を回避できます。

<人脈形成や視野を広げられる>

新たな人脈作りや視野を広げられるきっかけになることも、パラレルワーカーのメリットです。パラレルワーカーは請け負った仕事を納品するだけでなく、営業などもすべて自分で行います。企業で働いている場合と異なり、多数の人と知り合う機会があるため、新たな人脈を築きやすいでしょう。また、人脈が広がるにつれて自然と視野も広がり、新たなアイデアを得やすくなります。

パラレルワーカーのデメリット

<自発的な行動が必要>

パラレルワーカーには、自分で仕事を探す意欲や行動力が必要です。企業など特定の場所で就労している場合は、固定給であったり時給であったりと、基本的に出勤日数に応じた給与が発生します。
歩合制になるパラレルワーカーの場合は、仕事をしなければ報酬は発生しません。報酬を得るためには自分で仕事を探して請け負う必要があるため、自発的に考えて行動する力が必要になります。

<自己管理が必要>

仕事を複業で行っているパラレルワーカーは、スケジュール面や体調面での自己管理が重要です。仕事をやみくもに受けていては休憩時間や休息が取れず、体調を崩してしまったり疲労によって効率が低下したりする可能性もあります。
また、同時並行で業務を行わなければならないため、納期に間に合うように計画を立てながら仕事をこなさなければなりません。

フリーランスとは

パラレルワーカーと混同されやすいものの一つとして、フリーランスが挙げられます。フリーランスは、近年一般的になってきている働き方です。以下でフリーランスの雇用形態について解説しますので、理解を深めておきましょう。

フリーランスとは?

フリーランス協会では、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」をフリーランスと定義しています。
そのため、フリーランスは専門知識に特化したプロとして、業務内容の範囲を絞って請け負うのが特徴です。同時並行で異業種の仕事を請け負うことは少なく、自分の技能に見合った業務に注力する人が多いでしょう。

フリーランスのメリット

<自由度が高い働き方>

フリーランスもパラレルワーカーと同様に、時間的な融通の利きやすさがメリットです。自分のペースに合わせて仕事を請け負うことができ、場所にも縛られないため、好きな時間に好きな場所で働けます。
特にフリーランスは、プライベートと両立させやすいことも特徴の一つです。企業勤めと違って就労時間も自分で決められます。加えて人間関係など、仕事以外のことで精神的な負担がかかりにくいこともあり、のびのびとした環境で働けるでしょう。

<自分で仕事を選べる>

自分で請け負う仕事を選べることも、フリーランスの大きな特徴です。企業に所属している場合は与えられた仕事をこなす必要があるものの、フリーランスは自分主体で仕事を選べるため、したくない仕事は請け負わないという選択肢もあります。
また、得意分野での業務を重ねていくうちに専門的な知識がさらに深まり、技能の向上にもつながるでしょう。プライベートの予定に合わせて請け負う仕事の量を自分で決められるため、負担にならない量や内容で業務を行えます。

<定年に関係なく働くことができる>

企業と違いフリーランスには定年制がないため、働く意欲さえあれば仕事を続けることが可能です。年齢に関係なく働けるので雇用を打ち切られる心配もなく、再就職の働き口を探すといった苦労も必要もありません。
自分の力で継続的に収入を得られることで、年金だけに依存しないで余裕と安心感のある生活を送ることができます。

フリーランスのデメリット

<安定しにくい>

企業勤めと異なり、安定しにくいことがデメリットに挙げられます。ただし、仕事が継続的にもらえる保証はないうえに雇用保険などの加入もないため、万が一のときには一時的に収入がストップしてしまう可能性も念頭に置いておきましょう。
また、請け負った仕事量によって収益が変動することから、月によって収入が偏りやすいこともデメリットと言えるでしょう。仕事量を増やせばその分得られる収入も大きくなりますが、少ない月には収入がかなり減ってしまうため、経済的な見通しを立てにくい傾向にあります。

<自己管理が必要>

パラレルワーカーと同様に、フリーランスで仕事をする際には自己管理が必要です。請け負う仕事量を間違えてしまうと、無理が生じて体調を崩す可能性もあるでしょう。また、企業と違って自分で経営を行うため、クライアントとのやり取りから納品まで一連の業務を自分自身で行う必要があります。常に計画性をもって業務に取り組む姿勢が求められるでしょう。

<社会的信用が低い>

フリーランスは企業勤めと違い、経済的に不安定なイメージをもたれやすく、社会的な信用度が低く見られがちです。特に、独立して間もないフリーランスは経歴が浅いため、信用されにくい傾向にあります。また、会社によってはフリーランスとの取引自体を行っていない可能性もあるでしょう。さらに社会的な信用の低さから、経済面でも以下のようなリスクが出てきます。あらかじめ理解しておくことが大切です。

  • クレジットカードは作れない
  • ローンの審査が下りにくくなる
  • 金利が高くなる など

パラレルワーカーとフリーランスの違い

パラレルワーカーとフリーランスには共通点も多いですが、実際は別物です。同じものとみなされやすいこの2つの仕事には、一体どのような違いがあるのでしょうか。この章では、パラレルワーカーとフリーランスの違いについて、詳しく説明します。

雇用形態の違い

パラレルワーカーが企業と雇用契約を結んでいる場合も含むのに対して、フリーランスは雇用契約を結ばない人に限定されています。また、パラレルワーカーが企業との雇用契約を結んでいる場合、雇用保険などの社会保障を受けられる可能性があるでしょう。しかし、フリーランスの場合は雇用保険や労災保険の対象にはならないため、リスクを踏まえたうえで日頃から自分で備えておくことが大切です。

仕事の数の違い

フリーランスは、たとえ携わっている仕事が1本でも、雇用契約を結んでいなければフリーランスとして扱われます。しかし、パラレルワーカーは必ず2つ以上の仕事に携わっていることが条件です。またフリーランスの場合は、1つのジャンルに業務内容が絞られていることに対して、パラレルワーカーは複数のジャンルで並行して業務を行うことも大きな違いと言えます。

パラレルワーカーやフリーランスの人気が高まっている理由

働き方の自由化が進む中、パラレルワーカーやフリーランスとして働く人が増加傾向にあります。その背景には、社会情勢の変化や経済的な影響などが大きく関係していると言えるでしょう。

終身雇用制度が見直されている

これまでは、日本企業の多くが終身雇用制度を採用していました。しかし、最近では定年まで雇用を維持し続ける企業が減っており、実績を重視した評価を採用する企業が増えてきています。
能力次第では給与を引き上げることも可能ですが、その反面、長く続けても給与が上がるとは限らなくなったことも原因の一つとされています。

テレワークが普及した

新型コロナウイルスの影響により、テレワークでの業務が急速に普及しました。出社をしなくても仕事ができる環境を整えやすくなったことで、自由な働き方に魅力を感じる人が増えたことも人気の理由です。

最近はフリーランス向けの保険もある

近年フリーランスの人口が増えてきたことから、大手保険会社の共同でフリーランス向けの保険が導入されました。賠償責任補償が可能になったため、以前よりもリスクを抑えて働くことができるようになっています。

パラレルワーカーやフリーランスになるためにやること

パラレルワーカーやフリーランスとして働くには、どのような準備をしておかなければならないのでしょうか。

目的を考える

フリーランスやパラレルワーカーとして働いた先に、どのような目的があるのかを考えましょう。目的が定まることで、仕事を選ぶ基準や重視すべきことが自然と見えてきます。

自分のスキルや得意なことを棚卸する

自分が得意なことを明確にすることも大切です。客観的に自分の能力を判断できるようになり、請け負える仕事の範囲や今後の課題などが見えてくるでしょう。

自己管理能力を磨く

パラレルワーカーとフリーランスのどちらにも自己管理能力が求められます。計画的に物事を進める力や見通しをもって行動する力など、日頃から自己管理を徹底するように努めることが大切です。

スキルを磨く

得意なこととやりたいことを中心に、これまで以上にスキルを磨くことが重要です。専門分野の知識を深めたり新たなスキルを身につけたりするために、さまざまな資格を取得することもおすすめします。

情報収集や人脈形成

情報収集や人脈形成のために、自分から積極的に行動しましょう。人脈形成をすることで仕事を得られる可能性が高まるだけでなく、求められる人材や需要がどこにあるのかなどもわかるようになるでしょう。講習や交流会に参加してみるのも良い方法です。

まとめ

現代では働き方の多様化によって、パラレルワーカーやフリーランスの需要が社会的にも高まっていることから、今後ますます自由な働き方を選ぶ人が増えていくでしょう。
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