フリーランスにはどんなメリットがある?デメリットと併せて確認しておこう
最近は働き方が多様化したことで、フリーランスとして働く人も増えています。フリーランスには、会社勤めにはないメリットがたくさんある反面、デメリットもあります。これからフリーランスになることを考えている人は、メリットだけでなくデメリットも確認しておきましょう。
今回はフリーランスのメリットと併せて、デメリットや知っておきたいことを解説します。
フリーランスとはどのような働き方?
以下では、フリーランスの定義やフリーランスとして働いている人の割合などを解説します。
フリーランスとは?
フリーランスとは、一定の会社や団体などに所属せず、個人で契約して仕事を請け負う働き方です。会社や団体に雇用されていないため、労働法規が適用されません。確定申告や税金・保険の支払いなども自分で行う必要があります。
フリーランスと似た働き方の違い
フリーランスと似た働き方に、個人事業主と自営業があります。
<個人事業主>
個人事業主もフリーランスと同様、特定の会社や団体に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方です。フリーランスと違う点は、税法上では事業を個人で行う者として、開業届を税務署に提出する点です。ただし、すべての個人事業主が必ずしも開業届を提出しているわけではありません。
<自営業>
自営業とは、自ら事業を営むことです。事業内容によっては働く時間と場所が固定されていることがあり、自分で働く組織を自由に選ぶフリーランスとは、少々意味合いが異なります。
フリーランスはどれくらいいる?
2020年5月に内閣官房日本経済再生総合事務局が発表した「フリーランス実態調査結果」によると、日本のフリーランス人口は約462万人です。
また、内閣府政策統括官の「政策課題分析シリーズ17」では、フリーランス相当の働き方をする人の割合を就業者全体の5%程度としています。
フリーランスが増加した理由
フリーランスが増加した理由を5つ紹介します。
<働き方が多様化した>
2018年に制定された「働き方改革関連法」により、さまざまな働き方が推進されるようになりました。社会的に多様な働き方が認められるようになってきており、フリーランスとしての働き方を選択する人も増えています。
<副業を認める企業の増加>
働き方改革関連法が制定された同年の2018年には、厚生労働省によって「副業・兼業の促進に関するガイドライン」も発表されました。このガイドラインの発表を受けて、副業を認める企業が増加し、フリーランス人材も増加したと考えられています。
<リモートワークの普及>
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年頃からリモートワークが急速に普及しました。
リモートワークによって時間に余裕が生まれ、空いた時間で副業を始める人が増えたのも、フリーランス人材の増加に影響していると考えられています。
<フリーランス向けのサービスが増えた>
クラウドソーシングサービスやスキルシェアサービスなど、フリーランス向けのサービスが増加しました。仕事の獲得がしやすくなったことで、結果的にフリーランスで活動する人の増加につながっています。
<フリーランスの需要拡大>
特に、日本国内ではITエンジニアが不足しており、複数の企業を担当できるフリーランスの需要が高まっています。経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年で最大79万人ほどのIT人材が不足すると試算されており、今後ますます即戦力として働けるフリーランス人材の需要拡大が見込まれるでしょう。
フリーランスのメリット
フリーランスとして働くメリットは、以下の7つです。
1.働く場所が選べる
パソコン1台でできる仕事であれば、自宅やカフェなど、自分の好きな場所で働けます。場合によっては、旅をしながら仕事をしたり自分の住む場所を自由に変えたりすることも可能です。
2.労働時間や休みを自分で決めることができる
先述の通り、フリーランスには労働法規が適用されず、就業規則もありません。そのため、労働時間や休みを自分で決めることができます。午前中働いて午後を休みにしたり家族や友人の休日に予定を合わせたりすることが可能です。
3.好きな仕事ができる
フリーランスは、自分で受ける仕事を決められます。場合によっては、好きな仕事や興味がある仕事だけをすることも可能です。「やりたくないけど、やらなければならない」という場面が減るため、仕事に対するストレスが軽減するでしょう。
4.人間関係から解放される
フリーランスは特定の組織に所属する必要がないため、人間関係のストレスから解放されるメリットがあります。飲み会や企業主催のイベントなどに参加する必要もなく、自分自身の時間を有意義に使えるようになるでしょう。
5.定年が存在しない
フリーランスには定年がないことから、自分が働きたい年齢まで仕事を続けられます。定年後の再雇用制度が充実している企業も増えていますが、再雇用後は給与や仕事内容、勤務形態などに制限がかかる場合も多いようです。
その点、フリーランスであれば自分で報酬額や勤務時間、仕事量などを調整できるため、定年後も年齢に関係なく活躍できます。
6.ライフステージの影響が少ない
フリーランスとしての働き方は、結婚や出産などのライフステージの変化による影響を受けにくいため、女性でも仕事を続けやすいメリットがあります。自宅でできる仕事であれば、家事や育児との両立がしやすく、体力的・精神的な負担が軽減されるでしょう。
7.起業の準備ができる
フリーランスの働き方は、起業の準備期間中に最適です。時間を効果的に使えるため、自分の事業に使える時間を増やせます。
フリーランスのデメリット
フリーランスとして働くデメリットは、以下の8つです。
1.健康保険や年金に不安がある
フリーランスは、健康保険料の全額を自分で納める必要があります。
また、年金は厚生年金ではなく国民年金扱いになるため、将来もらえる額が減ってしまいます。「個人型確定拠出年金」と「国民年金基金」、「付加年金」に加入をすると、将来の年金対策が可能ですが、月々の負担が大きくなるでしょう。
2.安定までに時間がかかる
会社員であれば、毎月安定した金額の給料を手にできますが、フリーランスの場合は受注数や仕事量などによって月々の報酬額が変わります。特に、フリーランスになったばかりの頃は、人脈や実績が少ないため、長期的な目線での活動が大切です。
3.社会的信用が下がる可能性がある
企業勤めの肩書きがなくなると、社会的信用が下がる可能性も考えられます。
ローンやクレジットカードなどの審査が通りにくくなる点もデメリットです。
4.生活リズムが乱れやすい
フリーランスは、自分で仕事量やスケジュールなどを自由に決められる分、仕事を詰め込みすぎて生活リズムの乱れにつながる可能性があります。
無理なスケジュールを組んだり休日を取らなかったりすると、体調を崩す原因となるため、自己管理能力が非常に重要です。
5.仕事以外にやることが多い
フリーランスは、事務仕事や確定申告などを自分で行う必要があります。
こうした事務・経理をサポートしてくれるソフトやクラウドサービスを活用し、効率よく進めていくことが大切です。
6.子どもが保育園に入りにくくなる
フリーランスになると、子どもが保育園に入りにくくなる傾向にあります。理由としては、収入の安定性の面で会社員のほうがやや優遇されているためです。もちろん、フリーランスでも子どもを保育園に入れることはできますが、審査の面で少々不利になる場合があります。
7.将来への不安
決まった量の仕事が継続して入るとは限らず、将来を保証してくれる人もいません。そのため、将来への不安を感じやすいでしょう。新しいスキルを身につけたり最先端の情報をキャッチしたりして、仕事の幅を広げていくのがおすすめです。
8.孤独を感じやすい
フリーランスになって人と接する機会が減ると、孤独を感じやすくなるデメリットがあります。最近では、フリーランス同士が情報交換を行えるオンラインコミュニティやオンラインサロンなどもあるため、それらをうまく活用しましょう。
フリーランスに向いている人と向いていない人の特徴
フリーランスに向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
向いている人
フリーランスに向いている人の特徴は以下の4つです。
<オンオフの切り替えができる>
フリーランスになると、仕事とプライベートの境界線が曖昧になりがちです。オンオフの切り替えができる人は、仕事を効率よくこなせるため、フリーランスになっても活躍できるでしょう。
<自己管理ができる>
フリーランスは会社員と違い、作業の進捗(しんちょく)や支出、スケジュールの管理などを自分で行う必要があります。そのため、毎月の収入や仕事量を自分で管理できる人は、フリーランスの働き方に向いていると言えるでしょう。
<行動力がある>
フリーランスとして独立した後は、自ら仕事を探して獲得する必要があります。
そのため、自分で営業をかけたりビジネスの場に足を運んだりするなどの行動力が必要です。
フットワークが軽く、積極的に自己アピールができる人は、フリーランスとして活躍できるでしょう。
<責任感がある>
安定した仕事を獲得していくためには、小さな信頼の積み重ねが重要です。仕事を最後までやり切ることはもちろん、納期遅れや体調不良による債務不履行などを引き起こさないよう注意しましょう。
向いていない人
フリーランスに向いていない人の特徴は、以下の3つです。
<スキルに不安がある>
フリーランスになると、仕事の内容や報酬などを自分で決める必要があります。
そのため、スキルに自信がない場合は自分の価値を低く見積もってしまい、なかなか売上につながらない可能性があります。
スキルが不足していると、クライアントからの信頼を損ねてしまう可能性もあるため、できる限り十分なスキルを身につけてからフリーランスとして独立するのがおすすめです。
<受け身になりやすい人>
仕事は待っていても来ないため、自分のスキルをうまくアピールできない人は、フリーランスとしての活躍が難しいでしょう。
自分のスキルに自信がないと受け身になってしまいます。クライアントに貢献できる十分なスキルを身につけ、自分のアピールポイントを明確にしましょう。
<コミュニケーションに不安がある>
仕事の内容に限らず、ある程度のコミュニケーション能力は必要です。
仕事をするにあたってさまざまな交渉が必要となるため、コミュニケーション能力が高い人ほど活躍できる傾向にあります。
フリーランスになる前にやっておくべきこと
以下では、フリーランスになる前にやっておくべきことを4つ紹介します。
クレジットカードやローン回りの整理
先述の通り、フリーランスになるとクレジットカードやローンの審査が通りにくくなる傾向にあります。そのため、クレジットカードを作る予定や住宅や車などのローンを組む予定がある場合は、会社の退職前に手続きを済ませておきましょう。
人脈を作る
フリーランスとして独立する前に人脈を作っておくと、案件の受注につながりやすくなるでしょう。
クラウドソーシングサイトやスキルシェアサービスなどを使用しても案件は獲得できますが、手数料がかかります。それに加え、お互いの顔が見えない状態での取引となる場合もあり、報酬の未払いによるトラブルが発生することもあります。
その分、知人の紹介であれば安心して仕事に取り組むことができ、自然と仕事の依頼も増えるでしょう。
環境を整える
フリーランスに必要な環境(パソコンやセキュリティソフト、ツールの導入など)を事前に揃えておくと、スムーズに業務を開始できます。
確定申告で青色申告を希望する際は、開業1か月以内に「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出しましょう。
スキルアップする
仕事を獲得する間には、自分がもっているスキルを仕事にできそうなレベルまで磨きましょう。また、仕事に直接関係があるもの以外にも、コミュニケーション能力や営業力などを磨くことも大切です。
フリーランスが仕事を探す方法
フリーランスが仕事を探す主な方法は、以下の7つです。
複数を組み合わせると窓口が増え、仕事の獲得につながりやすくなります。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントとは、案件の紹介から契約交渉まで行ってくれるサービスです。
クライアントと直接やり取りを行う必要がないため、交渉が苦手な方でも仕事を獲得できるチャンスがあります。
また、担当者が要望や所有スキルに合わせた案件を柔軟に紹介してくれるため、希望に近い案件が見つかるのもフリーランスエージェントを利用するメリットです。
人脈を使う
フリーランス協会が発表した「フリーランス白書2020」では、フリーランスの仕事を得る方法として人脈を頼る人は、全体の7割を超えるとわかっています。
これまでかかわってきた職場の人や取引先の人をはじめ、友人や知人から仕事を紹介してもらえると、フリーランスとしてはかなり有利なスタートになるでしょう。
個人サイトやSNSを活用する
個人サイトやSNSで積極的に発信をしていると、仕事につながることがあります。
実績をポートフォリオとして掲載すると、仕事を受け付ける窓口が広がるうえ、求人に応募する際にもスキルのアピールにつながるでしょう。
企業への問い合わせ
ある程度フリーランスとしての実績ができたら、企業に直接営業をかけてみましょう。
企業のホームページのお問い合わせフォームやリクルートページから応募すると、仕事につながる可能性があります。
コミュニティに所属する
フリーランスが集まるコミュニティや、似たような立場の人が集まるコミュニティに所属すると、そのコミュニティ内で仕事を得られることがあります。
自分が獲得した仕事をコミュニティの中で分け合うことも可能です。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングは、仕事を発注したい人と受注したい人を結ぶサービスです。
フリーランスを始めたばかりの人でも挑戦しやすい仕事が多く、フリーランスを始める第一歩としてはとても有用なサービスと言えます。
交流会や講習への参加
ビジネス系の交流会や講習に参加すると、同業者とのつながりを増やすことができます。
企業の社長や役員なども参加していることもあり、ビジネスチャンスの獲得につながるでしょう。
まとめ
フリーランスとは、個人で仕事を請け負う働き方です。時間や場所などに縛られず、自由に働けるメリットがあります。
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