パラレルワークとはどういう働き方?メリットや注意点を解説!

2022.11.16

コラム

パラレルワークとはどういう働き方?メリットや注意点を解説!

最近はさまざまな働き方をする人が増えており、1つの企業に勤めるという従来主流だった働き方が変化しつつあります。新しい働き方として注目されているのがパラレルワークですが、具体的にどのような働き方かご存じでしょうか?もしかすると、これまでよりも自分に合った働き方ができるかもしれません。
今回は、パラレルワークとはどのような働き方かを解説します。これから新たな働き方を考えている方は、ぜひご一読ください。

パラレルワークとは

以下では、パラレルワークの概要と副業・複業・兼業との違い、パラレルワークに向いている人の特徴などを解説します。

パラレルワークとは?

パラレルワークとは、仕事を2つ以上かけ合わせる働き方です。
パラレルには「平行」や「並列」などの意味があり、それに「仕事」を意味するワークを組み合わせた言葉ですが、ここでいう仕事にはボランティアや学術的な研究、アーティストの創作活動、株式投資などの幅広い活動も含まれます。現代経営学やマネジメントを生み出した経営学者のピーター・ドラッカー氏が、自身の著書の中で提唱した「パラレルキャリア」が起源です。

パラレルワークと似ている働き方

パラレルワークと似ている働き方に、副業と複業、兼業があります。以下では、それぞれの働き方の特徴とパラレルワークとの違いを見ていきましょう。

<副業>

副業とは、メインの本業に加えてサブの仕事を行う状態です。
本業の収入を補う目的で副業を行う人が多い傾向にあります。一方で、パラレルワークにはメインとサブの区別がなく、必ずしも収入アップを目的としていません。

<複業>

複業とは、本業が複数ある状態のことです。
意味合いはパラレルワークとほぼ同じと言えます。副業と違い、メインとサブの区別がありません。複業をする目的は人によってさまざまで、主に収入アップやスキルアップ、自己実現などです。

<兼業>

兼業とは、本業と別の事業をもって働く状態のことです。
本業に加えて、別の仕事に就いていたり、自分で事業を起こして仕事をしていたりする場合を指します。本業をメインとして他の仕事をもつ点が、パラレルワークと異なる点です。

パラレルワークが増えている理由

パラレルワークが増えている主な理由は、以下の3つです。

  • 企業寿命の短命化
  • 大企業の経営破綻
  • ワークスタイルの多様化

ひと昔前までは、企業に入社すれば定年までその会社に所属することが当たり前でしたが、終身雇用や年功序列といった従来の日本の雇用モデルは終焉しつつあります。
東京商工リサーチが行った調査によると、2021年の企業寿命は23. 8年ということがわかっています。 また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの企業が「整理解雇」を行いました。
急な倒産やリストラにより、再就職を余儀なくされる可能性も高まりつつあることから、将来への不安や危機感からパラレルワークを目指す人も多いようです。
また、中小企業庁が公表した「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言」や、経済産業省による「『雇用関係によらない働き方』に関する研究会」の実施など、ワークスタイルの多様化を促進する動きも、パラレルワークの普及に大きく影響していると言えるでしょう。

パラレルワークに向いている人の特徴

パラレルワークに向いている人の特徴は、以下の通りです。

  • マルチタスクが得意な人
  • 自己管理ができる人
  • 学ぶ意欲がある人
  • コミュニケーション能力がある人
  • 行動力がある人 など

パラレルワークは複数の仕事・プロジェクトを同時に進める必要があるため、マルチタスクが得意で、かつ物事に優先順位をつけて実行できる人に向いています。それに加えて、パラレルワークを成功させるには、常に新しい知識やスキルを前向きに習得する姿勢が重要です。そのため、好奇心が旺盛で学ぶ意欲のある人に向いています。
また、複数の仕事をもったり複数の団体に所属したりするためには、コミュニケーション能力や行動力も必要です。自分で営業をかけたり自主的にクライアントに提案したりできる人は、パラレルワークで成功しやすいでしょう。

パラレルワークのメリット

パラレルワークのメリットは、以下の6つです。

自分のやりたいことや興味がある分野で働くことができる

収入源が複数あるため、本業1本でやるよりもリスクがありません。
そのため、自分のやりたいことや興味のある分野で自由に働くことができます。新たな知識やスキルの獲得につながるのもメリットと言えるでしょう。

人脈作りができる

複数の仕事をかけ合わせると、1つの仕事をしているときよりも多くの人と関わりが持てます。
これまで接点のなかった人たちとコミュニケーションを取ることができ、新たな価値観の獲得や視野の広がりにつながるでしょう。新たに形成した人脈から仕事が舞い込んでくる可能性もあります。

新しい知識が得られる

複数の仕事に携わると、新しい知識やスキルを身につけるチャンスが増え、成長につながります。視野の広がりは他の仕事にもよい影響を与え、自分自身のキャリアアップやより自分に合った仕事を発見するきっかけにもなるでしょう。

収入アップ

パラレルワークを行うと収入源が増えるため、より安定した収入を確保しやすくなります。それに加え、収入源を分散させておくことで、仮に1つの事業が失敗したとしても収入がゼロになるリスクを減らすことが可能です。

キャリアアップや転職に役立つ

複数の仕事を行うと新しいスキルや知識が蓄積され、将来の選択肢が増えます。会社以外の事業規模を拡大したり、パラレルワークで築いた人脈から別の会社に転職したりなど、キャリアアップや転職に役立つでしょう。

管理能力が身につく

複数の仕事をこなすためには、体調やスケジュール、書類、税関連など、多くのことを管理する必要があります。そのため、パラレルワークを行うと管理能力が身につくでしょう。

パラレルワークは企業側にもメリットがある

パラレルワークのメリットは企業側にもあります。パラレルワークによって企業側が得られるメリットは、以下の3つです。

優秀な人材が確保しやすい

ワークスタイルが多様化している現代で、パラレルワーク制度を取り入れている企業は、採用活動において有利に働きます。優秀な人材が集まりやすく、従業員の満足度も上がりやすいことから、離職率の低下にもつながるでしょう。また、優秀な人材が社外に流出するのを防げるため、業務効率の向上や利益拡大が期待できます。

従業員のスキルアップにつながる

複数の仕事を通して、従業員一人ひとりが幅広いスキルや知識を身につけられます。従業員一人ひとりのスキルを活かし、自社の新規事業立ち上げや新商品開発などを行うことも可能です。また、パラレルワーク制度を取り入れると、コストをかけなくても従業員が成長してくれるため、利益拡大につながります。

従業員の満足度が上がる

パラレルワーク制度を取り入れると、好きなことを仕事にできるうえ収入源も増えるため、従業員の満足度がアップします。意欲的に仕事に打ち込む従業員が増えることで、社内の活性化につながるでしょう。

ただし気を付けたいこともある

従業員と企業側の両者にメリットのあるパラレルワークですが、実際に行う際にはいくつかの注意点があります。以下では、パラレルワークの注意点を6つ紹介します。

就業規則

パラレルワークや副業・複業を解禁している企業が増加傾向にありますが、企業の中には禁止しているところもあります。そのため、パラレルワークを始める前には必ず就業規則を確認しましょう。就業規則で禁止されているのにもかかわらずパラレルワークを始めてしまうと、就業規則違反に問われるリスクやトラブルにつながるリスクがあります。

どの仕事も十分頑張ることが必要

複数の仕事をかけ持ちすることにより、一つひとつの仕事の質が落ちないよう注意しましょう。信用がなくなると仕事自体を失う可能性もあるため、どの仕事も手を抜かずにやり遂げることが大切です。自分の実力を冷静に見つめ直したうえで、自己管理能力や体力面についても定期的に振り返りましょう。

自由な時間が減る

複数の仕事をすると労働時間が延び、自由時間が減る傾向にあります。
また、複数の仕事に全力を注ぐと、肉体的・精神的な疲労も溜まっていくため、定期的なリフレッシュが大切です。労働時間やスケジュール、仕事量などの管理をしっかりと行い、疲労が蓄積していないかを意識しながらパラレルワークに取り組みましょう。
ときには、ワークライフバランスに考慮し、パラレルワークの可否を判断することも大切です。

事前に周囲の人から理解を得ること

パラレルワークを始める際は、事前に周囲の人の理解を得ておくと安心です。特に、家庭をもっている方の場合は、パラレルワークによって自分や家族に使える時間が減るため、家族の理解がないと継続は難しいでしょう。少なくとも、かけ持ちする仕事の内容やおおよその労働時間、収入の目安などはあらかじめ周囲の人に伝えておくことが大切です。

雇用保険や福利厚生について

パラレルワークを実践する際は、雇用保険や福利厚生にも注意しましょう。
理由としては、雇用保険に加入するには労働時間や労働日数の要件があるためです。働き方によって雇用保険や福利厚生が下がったりもしくは、適用されなくなったりすることが考えられます。
たとえば、複数の企業で仕事をかけ持ちする場合、どちらも週の勤務時間が20時間に満たないと雇用保険加入対象外となってしまうでしょう。
また、フリーランスとして案件を受注する場合、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。確定申告の対象者であるにもかかわらず申告を怠った場合は、ペナルティとして延滞税や無申告加算税が課される可能性があるため、注意しましょう。

仕事内容や就業先によっては情報漏洩に注意

関連業界や競合他社とのかけ持ちになると、情報漏洩につながる可能性があるため、注意しましょう。特に、同じパソコンを使用して仕事を行う場合、誤って情報を他社に流出させてしまう恐れがあります。守秘義務に違反をすると、流出させてしまった情報に応じて懲役または罰金のペナルティが課されることから、取り扱いには十分に気を付けてください。

まとめ

パラレルワークとは、2つ以上の仕事をかけ合わせる働き方です。ボランティアや学術的な研究、アーティストの創作活動、株式投資などの幅広い活動も含まれます。パラレルワークが増加している主な背景は、企業寿命の短命化や大企業の経営破綻、ワークスタイルの多様化などです。
パラレルワークを実践するにあたって、いくつかの注意点はあるものの、従業員と企業側の両者にメリットがあるため、今後もパラレルワークの制度を導入する企業の拡大が見込まれます。

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