株式会社メトロ 代表取締役 松原孝慈氏インタビュー

2025.05.12

企業インタビュー

株式会社メトロ 代表取締役 松原孝慈氏インタビュー

今回企業インタビューにご協力いただいたのは、株式会社メトロ代表取締役の松原氏。

株式会社メトロは、食品原材料の専門商社として従来の食品原材料卸の枠にとどまらず、日本の農業の発展への貢献や食品ビジネスの課題解決に取り組んでいます。
今回は、事業拡大を見据え、新商品開発案のディカッションや販路拡大に向けた取り組み、それらを推進する組織開発をRD LINKのエキスパートがご支援させていただきました。

企業紹介

株式会社メトロ
1978年創業。原材料の産地に自ら足を運ぶことを何より大切にし、産地の方々と信頼関係を築いてきた食品原材料サプライヤー。多様化する消費者の嗜好や変化、競争の激しい食品市場において強固な提案力と対応力をもって供給の先にある「価値」の提供を行い、さまざまな食品メーカーとお取引実績を持つ。また30年以上の経験やネットワークを活かして、食品ビジネスの課題解決、日本の農業や食文化の発展に貢献。

プロジェクト内容

1『新規事業の戦略立案』×『新規事業のエキスパート』
事業拡大に向けて、新商品の開発、新規顧客開拓の計画がある。既存事業は堅実に拡大できている一方で、難易度の高い新規事業開発へ割くリソースが足りず、事業推進の伴走が可能なエキスパート人材の支援を求めてRD LINKへ依頼。

2『新たな価値創出を担う新商品開発』×『食品原料のエキスパート』
プロジェクト1で固めた事業方針に沿って、具体的な新商品開発プランの検討や新規顧客開拓のアプローチ、マーケティング戦略の推進へとフェーズを移すことになり、エキスパート人材の持つネットワーク活用や商品開発の知見を求めて引き続き支援を依頼。

業務委託は正社員採用よりも低リスクで即戦力人材を迎える手段

メトロ様とは1年程前に弊社代表の大島とのご縁をきっかけに、当時の課題などについてお話をお伺いさせていただきました。売り上げを100億円まで成長させたいという目標を実現させるための手段のひとつとして、外部プロ人材の活用に興味を持たれた理由を教えてください

既存社員だけで仕事をしていると、どうしても既存の枠組みの中での考え方になりますが、新しい人が組織に入ることで、新しい視点や意見を取り入れられます。とはいえ、その方が組織の課題に対して的確な視点や考えを持つ人材かどうかは実際に採用してみないと分かりませんので、能力の見極めが難しいですよね。

その点、今回の外部人材の活用は、自分たちのニーズに見合った能力を持つ方をご提案いただけるということになりますので、活用してみようかなと思いました。

ありがとうございます。中途採用と今回の外部人材の業務委託では求めるものは明確に違うという前提で、業務委託という選択肢を選ばれたということでしょうか

そうですね、もちろん能力のある人材が自社の社員として入社してくれるのであれば、採用したいですし、採用するべきだと思います。しかしそういう人材を正社員で採用するのは難易度が高いですし、先ほど申し上げたように、採用してみないと実際には能力のレベル感がわからないというリスクもあります。

すでに登録者数が多いRD LINKのような業務委託のサービスでは、登録人材の方がどういう経験をお持ちかご存知ですから、その中から「この人ならできると思います」と提案いただく方が、私たちが希望する能力の部分にフォーカスして、的確にヒットさせる的中率は高くなるはずだと思います。そういう部分に期待して外部人材のご紹介をお願いしました。

RD LINKにご依頼いただけたのはどのような理由からでしょうか

代表の大島さんから「そういう課題をお持ちであれば、1回RD LINKのサービスを使ってみませんか?」とご提案いただいたのが理由ですね。人材については先ほどお話ししたように、一緒に業務をやってみないとわからないと思いますので、まずはRDサポートさんのサービスだからということが前提にありました。

新しい視点、新しいチャレンジの必要性が実感できて社員のアウトプットに変化が生まれた

100億という明確な売り上げ目標があり、社員がワクワクするような新規事業も作っていかないといけないということで、そのアイデア出しからエキスパート人材が携わらせていただきましたが、支援をさせていただいて社内での変化などはありましたか

エキスパートのNさんから色々な事例をご紹介いただけて社員の知識量が増えたと思います。それにより「外部の視点や意見を取り入れる動きは必要だね」「今やっていることだけではなかなか成長しないよね」ということを、社員も感じるようになったのではないかと思います。

社内定例会議の場でNさんと話しながら、「こういうことをやってみたい」という話やアイデアも多く出ています。残念ながらまだ実際に走り始めた新規プロジェクトはありませんが、走らせられるものを考えようという機運はあって、実際に動き出せないか具体的に考えていますね。会議でも「この間言っていたものじゃなくて、例えばこの間見つけたこういうのはどう?1回チャレンジしてみませんか」とかそういう議論が出てくるようになりました。

そこからちゃんと形にしていくことが大事ですけどね(笑)

社員の皆さんの中に新しい考えを取り入れることや、新しいことにチャレンジしていかなければいけないという意識が醸成され、会議でアウトプットが多くなっているというのは素晴らしいですね。弊社としても嬉しいです

みんなアウトプットはたくさんするんですよね。でもインプットしておかないとアウトプットはできません。その「インプットって大切」と社員が改めて理解することを、エキスパートのNさんが担ってくれた部分があると思っています。例えば知らない栄養素についてお話いただいて、社員が知識を得ることで「なるほど、この知識を使って営業で話したらいつもと違うトークができるな」と応用できる。そういったインプットがあることでアウトプットの質も高まることを理解して動けるようになってきたのは良い変化だと思います。

社員の方々の気づきや、実際に「やろう」と行動に移す実行力があったからできることですね

やっぱり仕事にも癖があります。弊社は食品原料という「モノ」を売っているので、「これは●円です。買ってもらえますか?」という商売になります。その時に「どこどこ産で・・・」とか「こういう特徴があって美味しいですよ」と話すだけですと、「いつもと一緒でしょ」という話ですよね。そこから、じゃあ同じ物を売るためにも他にどんな情報を付加したら良いのか、どうしたら売れるようになるのかを考えるために、必要な情報を自分たちで探してインプットするようになったと思いますね。

「東京駅のお土産屋さんは割と頻繁に入れ替わるから定点観測して新しい情報をキャッチしよう」とか「新しいショッピングモールが出来た」とか、そういう会話は増えましたね。

マンネリ化の打破という目的だけでも外部の風を入れる価値はある

今回RD LINKのエキスパート人材を活用して良かった点、困った点について教えてください

良かった点は先ほどの内容と重複しますが、「自分たちの知らない知識を得られる=自分たちの仕事に幅を出せる」ことを学べたことですね。

悪かった点と言われると、何をもって悪かったとするのかが難しいですが、私自身は外部人材の活用をやらないよりはやった方が良かったと思います。例えばRD LINKさんやNさんには失礼な話ですが、何の効果も無かったという認識だったとしてもやらないよりはやった方が良い。

いつもは社長の私が喋っていますが、自分たちに無い経験や専門知識を持つ外部の知らない人がきて喋って、その人の話を聞くというだけでも刺激はあったとは思いますので、悪かったことというのは特にありませんね。

RD LINKの活用を迷っている企業へのアドバイスやメッセージがあればお願いします

このような業務委託の人材活用や研修などの外部サービスは、費用対効果が非常に見えにくい、測りにくいと思います。例えば「10万円の研修をしたら100万円売り上げが新しく上がるようになります」なんてことには絶対に紐づきません。それを物の売買のように、10万円払えば10万円分買うことができる、という風に考えてしまうと、価値が見えにくいものに投資をする判断ができず、どれくらいの費用対効果があるのかという疑問や懸念が拭いきれず、最後は踏み切れないまま「やらなくてもいいや」となるのかなと思うんです。

でも会社でも部門でも、日々同じ人達が同じ人達を教育しているだけだとマンネリ化は避けられません。ですので、そのマンネリ化を打破するために使うということだけでも、使ってみる価値はあると思います。

RD LINKは研究職や開発職などの理系プロ人材のシェアリングサービスと謳っています。今回のメトロ様のご支援内容は研究開発ではなかったのですが、そのような理系専門職の方が副業をすることについて松原さんはどう思われますか。

どんどんやったら良いと思いますよ。その知識や経験を色々なところで活かすべきだと思います。企業視点では企業の知的財産だと捉えると、それはうちのノウハウでしょという話になるとは思いますが、これからは有能な人材が色々なところで足りないものを補い合って、会社が、皆が、共に成長していかないと日本の国は良くならないのではないかなと思います。

メトロ社では社員の方の副業は可能なのでしょうか

職務規程やルールで決めているわけではありませんが、特に禁止はしていませんので副業したい社員がいたらやっても良いと思っています。自分の家では当たり前のことだけど人の家に行くと全然違うルールや違う雰囲気があるように、違う会社で働くことは逆に緊張感があって良いのではないですかね。

RD LINKはまさに、労働人口が減っていく中で、シェアリングサービスという形でマンパワーを上手く活用して日本の企業や事業を活性化させていくことを目指していますので、人材流動について前向きに捉えていただけるのは嬉しいです

理系の専門職の方を雇用したくてもできない場合もあると思います。すぐには見つからなかったり、専門性が高い方は年収も高かったりするでしょうしね。フルタイムの正社員にこだわらず、必要なタイミングで力を貸してもらえるサービスを活用して、常駐で一人雇用するよりコストも抑えてお願いできるとなれば、企業側にもメリットはありますよね。

外部人材の活用に秘密保持の面でまだ不安を持たれる企業様もいますが、秘密保持について御社はどのように考えていましたか

秘密保持をどう考えるかは、ぞれぞれの判断ですよね。
事業拡大に向けた伴走支援を求めるのであれば、ある程度情報の開示は必要だと思います。より良い提案をもらうためには、情報がなかったら提案してもらえないですよね、きっと。いくらエキスパートとして豊富な知見をお持ちでも、支援先の会社がどんな会社でどんな物を売ってどんなことをしていて、何をしていきたいのかが分からなかったら、「じゃあ提案お願いします」と言われても、それはなかなか難しいでしょう。

逆にあまり情報は出さない、出せないということであれば外部人材の力を借りることはしない方が良いのではないかと思います。力を借りることができないと言うほうが適切かもしれません。

ありがとうございます。本日はお忙しい中ありがとうございました

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