実体験で感じる複業の楽しさ~研究者と経営者と時々RD LINK~

2023.03.03

コラム

実体験で感じる複業の楽しさ~研究者と経営者と時々RD LINK~

自己紹介文はこちら(執筆者:中嶋章悟)

まず簡単に私の仕事を紹介いたします。ウイルス学の基礎研究を某アカデミア研究機関で行いつつ、また自身のカンボジア関係の仕事をしつつ、時々RD LINKでエキスパートとしての仕事をしています。現在、所属する機関・団体は6つあります。

毎日決まった仕事をしていることは少なく、ある日は実験をしたり科学論文や研究費の申請書を書いていたり、またある日はカンボジア関係の仕事で打合せや営業活動、許認可やビザ申請書類を作成したり、またある日はRD LINKから受けている仕事で共同研究機関に伺ったりと、仕事は多岐にわたっています。

細切れで仕事をしていることが多いですが、同じ仕事を長時間行っている日もあります。この多岐にわたる仕事を並行し、かつそれぞれ異なる環境の中で過ごすことは、私自身の気持ちの新鮮さにつながり、それが仕事の楽しみへとつながっています。これこそが複業することの魅力と醍醐味だと私は思っています。

理系の複業のメリットとデメリット

研究者の複業について改めて考えるため、まずは私の感じるメリットとデメリットを掘り下げてみました。

メリット

・仕事に新鮮さを感じる
・転職ではないので、正社員よりも始めやすい
・新しい経験につながる、ネットワークも広がる
・新しい経験が本業や未来の仕事に役に立つかもしれない
・自分の市場価値が客観的に見える
・自分の経験をお金に換えられる、収入のアップにつながる
・収入の柱を増やせる
・自分の仕事が今いる環境以外にも求められていると実感できる

デメリット

・自分の時間が減る
・本業への影響(就業許可、職場との調整など)

常に新鮮な気持ちで仕事ができるのは楽しい

上記のようにメリットや魅力は多数あると思います。デメリットについてははメリットを優先することで減少すると考えています。例えばデメリットの「職場との調整」もメリットを優先するためであれば頑張れるのではないでしょうか。

実際に私の例では、自分の会社の仕事とプライベートの時間が減ってしまいますが、ほかの仕事を通してそれ以上に得られる経験もありますし、また性格的にも「多方面の仕事をしたい、営業も研究開発も全部やりたい」というタイプなので、その欲求も満たされます。

メリットの最初にも挙げましたが、複業によって仕事の新鮮さが得られますし、良い経験につながっているのは間違いありません。私にとっては、日頃の仕事において新鮮さがあることは重要で、新しいことへのチャレンジで日々新鮮な気持ちを持ち続けられ、それが全ての仕事の頑張りにつながっていると感じています。

自分を支える柱の本数を増やせる

一方で私も、RD LINKではエキスパートとして約1年稼働しており、数か月就業している仕事ですと慣れてくる部分もあります。そんな時にもうひと頑張りさせてくれるのは、やはり収入です。収入が増えているという事実は自信にもつながります。

仕事も人間関係も1つのことだけで突き進むと、相手は引いてしまうこともありますし、またそれを失った場合の喪失感が大きく、立ち直るまで時間を要してしまいます。私自身、昔0か100かで突き進んで失敗した仕事があり、数年尾を引いたことがありました。振り返ると、やはり心に余裕があった時の方がうまくいった経験が多いです。

収入も仕事も趣味も、自分を支える柱がたくさんあった方が自分をしっかり支えられますし、仮に1つが折れてしまっても他に支えがあれば、心や生活が折れてしまうことは起きづらいのかなと思っています。そういった意味でも複業で自分の柱を1つ増やしてみることは有益だと思います。

複業を行ってみると、複業を通して得られるもの、見えてくる世界は、やはり新しい世界です。様々な方に関わる機会も増えますし、人間としての気づきが得られます。実際に私自身もこうした文章を書く機会が得られている訳ですから。

その複業は自分の得意の延長線か?やり遂げられるか?

私は新しい何かをすることが好きです。その気質があるので複業にも興味を持っていました。実際に会社員時代に何か新しい仕事をしてみたくて、飲食店経営に興味があったので、夜居酒屋で複業としてアルバイトをしてみました。ただ普段の業務後に未経験かつ体力を使う仕事をしたので、本当に日々疲れました。夜寝ていても店員を呼ぶチャイムが夢の中で鳴るようになり、疲れる一方で何のためにアルバイトをしたのかもわからなくなり、結局は10回も勤務できずに辞めてしまいました。

辞めた直後はなぜそうなってしまったのかわからなかったのですが、数年後に自分を振り返ってみると、全く未分野の仕事をするとどうなるのかを知らないまま、ただの新しいもの好きという理由だけで飛び込んだので辛抱もなかったのでしょう。興味だけで未経験分野に飛び込むと大変な目に合うと学びました。

それに気づいてからは、複業するならしっかりやり通せる内容なのか、そもそも自分の延長線上にあることなのかをすごく気にするようになりました。せっかく複業をするのでしたら、自分の首を絞めないように、相手にとってもよい結果になるように意識する必要があると、RD LINKのエキスパートしながらよく思うことです。

日々進化できるのが複業だと感じている

日々変化を生ませるということ、新鮮さを感じることの重要性を書いてきました。大きな行動が必要となる転職や新規事業では必然的に新しい環境が生まれて新鮮さを感じられますが、私は日々の生活の中でも新鮮さを大切にしています。

例えば私がよくしていることとして、いつも行く研究所には今日は自転車で行ってみよう、通ったことない道を通ってみよう、など日々何かしら変化することを好んで行動します。

こういった日々少しずつでも変化させようとする行動が、新しいことを受け入れられる特性につながると思います。気持ちの新鮮さを保つことが様々な仕事に向き合っていけ、また新鮮さがあるから様々な仕事を行うことへの楽しみに繋がっていると感じています。この新鮮さを持てるというのは明日への活力を持て、自分の夢や志の実現に向けて行動でき、それがあるから青春が保てるような気がしています。

私はサムエルウルマンが書いた青春という名の詩【青春とは人生のある時期をいうのではなく、心の持ち方を言う】が大好きで、指針にもしています。自分の好きなこと、自分らしさや特性など、自分を掘り下げて歩みつつ、適度に人生に変化をつけていく。それがあるから、心も若くいられ、新しいことや変化を好めるようになるのかなと思います。

日々進化できるのが複業というチャレンジで、ぜひ今の環境を少し変えてみたいと思うのならば、複業を行ってみることは良いことだと思います。

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