複業と副業の違いは何?向いている人の傾向などを解説!

2022.03.07

コラム

複業と副業の違いは何?向いている人の傾向などを解説!

複業と副業は同じものだと考えている方もいるかもしれませんが、厳密には違いがあります。どちらをするにせよ、どのような働き方をしたいのか目的によって自分に合うかを考えなければなりません。

今回は複業と副業の違いや、向いている人の傾向などをご紹介いたします。   

  1. 複業と副業の違い
  2. 複業に向いている人の特長
  3. 複業の種類
  4. 収入による複業の種類
  5. 会社員が複業を選ぶ際の注意点
  6. 会社員が複業をする際のポイント
  7. まとめ

1.複業と副業の違い

同じ読み方をする複業と副業ですが、厳密には違いがあります。
まずはどのような違いがあるのかご紹介いたします。

複業と副業の違いは?

<複業>

「複業」とは本業が複数あることを指します。メインの仕事・サブの仕事といった優先順序を付けず、複数の仕事を同時に本業として取り組む働き方です。
これまであまり馴染みのない言葉でしたが、2018年に成立した「働き方改革関連法」をきっかけに注目されるようになりました。金銭的なことを目的とするだけではなく、スキルアップや自由な働き方など自分の成長につなげるために取り組む方も多くいます。

<副業>

一方「副業」とは、メインとなる仕事を主軸にしながら、空いた時間でサブの仕事をすることを指します。
収入を増やすことを目的として始める方が多く、終業時間後や土日祝日などの休日を活用した短期バイトなどが人気です。

複業と似ている言葉の違い

複業と意味合いが似ている言葉の違いについては、以下の通りです。

<兼業>

兼業とは、複数の「収入を得るための仕事」に従事することです。企業で働きながら職務以外の他のビジネスにも取り組むことを指します。
メインの仕事・サブの仕事というように、仕事に順序をつけない点ではパラレルワークに近い使われ方もします。ただし、ボランティア活動やアーティスト活動など、さまざまな社外活動を平行して継続するパラレルワークに対し、兼業はどの活動もビジネス度の高いものであることが特徴です。

<Wワーク>

Wワークは兼業と同義語です。
メインの仕事・サブの仕事というように順序を付けずに、どの仕事も同じくらいのバランスで複数のビジネスに取り組むことを言います。

<サイドビジネス>

サイドビジネスは副業と同義語で、メインの仕事の他にサブの仕事があることを指します。メインの仕事が空いた時間に行うアルバイトやネット販売、投資などはサイドビジネスです。

<パラレルワーク>

パラレルワークとは、2つ以上の仕事を同時に進める働き方です。「並列の」を意味するパラレルに、「収入を得るための仕事」だけでなく「勉強・作業」などの意味も持つワークが合わさっています。
つまり、パラレルワークは複数のビジネスに取り組むことだけでなく、ボランティア活動やアーティストの活動など、さまざまな社外活動を平行して継続することも含まれます。 使われ方としては、複業と同じ意味とされています。

2.複業に向いている人の特徴

ここでは、複業に向いている人の特徴を4つご紹介いたします。

意欲的な人

何事にも意欲的な人は複業に向いているでしょう。
主に収入の増加を目的とする副業とは違い、複業は収入を増やすこと以外にスキルアップやキャリア形成を目的にしている人が多くいます。そのため、例えすぐには収入につながらなくても、新しく学ぶ意欲がある人の場合、複業でも新たなスキルを取得できるでしょう。

自己管理ができる人

複業では複数の業務をこなす必要があるため、自己管理ができるかも重要です。
働き方にもよりますが、複業をする場合は自分で仕事を獲得し、優先順位を決めながらスケジュールを組み、進捗管理をする必要があります。
業務の管理だけでなく、心身の健康を保つために休息をとることも自己管理の一つです。会社に所属して働くようなフォローは基本的に受けられないので、自分でしっかりとタスク管理ができる人が向いているでしょう。

1人でも頑張れる人

複業は1人でも頑張れる人に向いています。
理由は、複業は1人での仕事が多い傾向にあるためです。フォローしてくれる人や適切な指示を出してくれる人もおらず、何事も1人で行うことが増えるでしょう。
そのため、団体での行動を求められる会社勤めとは違い、1人でもモチベーションを維持できる人が向いています。改善すべきことを考え、実行する能力も仕事をする上では欠かせません。

コミュニケーション能力がある

複業であっても、コミュニケーション能力は求められます。
複業は会社勤めのようにチームで仕事をする場面が少なく、1人でする仕事のほうが多いものの、外部との連絡も自分で行うため、円滑な業務にはコミュニケーションが欠かせません。
毎日のように顔を合わせないからこそ、綿密な連絡や報告は信用に直結します。複業において信頼されることは長く働くためにも必要なことなので、こまめなやり取りを心がけましょう。

3.複業の種類

一言で「複業」と言っても、働き方はさまざまです。
これから複業を始める場合に選択できる形態を4つ解説します。

フリーランス×フリーランス
個人事業主×個人事業主

既にフリーランスとして活動している、または個人事業主として複数の仕事を掛け持ちする場合はこの形態です。

たとえば、行政書士としてフリーランスで活動している人が、行政書士の知識を活かして新しくライターとして仕事を始めるケースがこの形態に該当します。他にも、主婦が家事のスキルを活かして家事代行サービスや料理教室を始めるのもこの形態です。

このような働き方をするメリットは、自分のキャパシティに合わせて労力や時間を調整できるため、手軽に始めやすい点です。ただし、すべての仕事を自分で探し契約まで進めなければならず、ある程度の収入になるまでは時間がかかるでしょう。

個人事業主として複数の仕事を掛け持ちする場合には、事業所得に該当するケースが多くなるため、確定申告の際に「青色申告特別控除」を利用すれば節税効果が得られることもあります。

会社員×フリーランス(個人事業主)

会社に所属しながらフリーランスや個人事業主をする場合はこの形態にあたります。これから複業を始めようと考えている方は、この形態が多いのではないでしょうか。

以前は副業(複業)を禁止している企業がほとんどでしたが、2018年に働き方改革が推進された結果、複業を解禁する企業が増え、それに伴い複業を始める会社員が増えました。

この形態は、既に会社員として安定した収入があるため、複業はすぐ収入にならなくても問題がなく、マイペースに取り組める仕事やスキルアップのための仕事を選びやすい点がメリットです。

ただし複業を始める前に勤め先の就業規則を確認することや、勤め先の不利益となるような仕事は選ばないように注意しましょう。

なお、会社員として会社から受け取る給与はこれまで通り給与所得ですが、個人事業で得た収入は、事業規模や実態により所得区分が変わることも覚えておいてください。

フリーランス(個人事業主)×会社員

フリーランスまたは個人事業主を先に行なっている人が、後から法人に勤める場合はこの形態です。フリーランスや個人事業主として活動している人が、個人ではできない経験を積むために会社員として働く、新しいキャリアを形成するために会社に就職するなどのケースが該当します。

中途採用だと採用枠が少なく、就職が難しい企業もありますが、個人事業主として築いた経験や実績は採用時の自己アピールとして大きな武器になるでしょう。

デメリットを挙げるなら、これまで比較的自由だった時間管理に、会社員として働く時間の縛りができることです。さらに、会社員としての仕事が軌道に乗るまでは個人事業に充てる時間が減り、結果として収入が減る可能性もある点には注意してください。

確定申告は、個人事業の所得と給与所得を合わせて行います。

会社員×会社員

複数の会社に勤める場合は「会社員×会社員」の形態ですが、最も難易度が高い複業です。会社員として働いている人が新たに会社を設立する、または新たに別の会社で雇用されるケースがあります。安定した収入源を2つ持つことができる点は大きなメリットです。

しかし、他の形態に比べて時間や労力が必要になるため、自己管理がしっかりできる人やストレスを感じないような働き方と業務内容でなければ難しいでしょう。

この形態で複業をする場合、基本的にはすべて給与所得です。 ただし、2か所以上の会社から給与を受け取る場合、少ないほうの金額が20万円を超えると確定申告が必要となるため、注意しましょう。

4.収入による複業の種類

収入による複業の種類は3種類あります。ここではそれぞれの複業について特徴をご紹介いたします。

成果報酬型

成果報酬型の複業は納品物によって報酬が出るものです。つまり、何時間働いたとしても、成果を出さなければ報酬は発生しません。成果報酬型を選んで思ったよりも仕事が捗らなかった場合、時給に換算すると最低時給よりも安くなってしまう可能性があります。反対に、成果を早く出すことができれば、短時間で多くの収入を得ることも可能です。

労働時間型

労働時間型の複業は文字通り労働時間(時給)によって報酬が出るもので、アルバイトなどが該当します。成果に関係なく労働時間に対して給料が発生するため、働いた分だけ安定して稼ぐことができます。ただし、短時間で多額の収入を得ることは比較的難しいでしょう。

ビジネスオーナー型

ビジネスオーナー型の複業は自分で商品やサービスを提供するものです。自分で考えたサービスや作った商品を売るほか、ネット上にアップしたブログやYouTubeから広告収入を得る方法をビジネスオーナー型といいます。 趣味の延長として始めやすいのはメリットですが、安定した収入を得るためにはセンスや地道な努力が必要です。

5.会社員が複業を選ぶ際の注意点

会社員が複業を選ぶ際の注意点

複業を選ぶ際には注意点もあります。複業を安心して始めるためにもしっかりと確認しておきましょう。

単純労働は複業に向かない?

会社員が複業を選ぶ際に、単純労働は複業に向いているのか考えましょう。単純労働とは、具体的にコンビニやファストフード店のアルバイトなど、本業と関連性がなくスキルアップにつながりにくい業務などです。

もちろん単純労働が悪いという訳ではないため、明確な目的があって働くのであれば有意義です。ただし、目的がない場合は時間の切り売りにしかならず、自身の成長につながりません。

そうならないためにも、会社員が複業を選ぶ際には目的がない状態で単純労働を選ぶことがないように意識しましょう。

時間がかかる業務は難しい

会社員として働きながら複業を始める場合、時間がかかる業務は難しいでしょう。理由は、会社員として通常の業務をしっかりとこなしながら時間がかかる仕事を新たに始めると、休息時間などが不足しやすいからです。休息時間やリフレッシュに充てていた時間が減ると、複業が原因で会社の業務に支障がでる可能性もあります。

会社員として働きながら複業を始める場合、なるべく短時間で取り組めて本業との相乗効果も得られるような仕事がおすすめです。

取り組むのが苦痛にならないか

取り組むのが苦痛にならず、楽しんでできる業務を選ぶのも会社員が複業を選ぶ際の注意点です。

会社員は与えられた仕事に取り組むのが当然で、好き嫌いは関係ありません。一方、複業は基本的には誰かに強制されることもなく、自主的に取り組むものなので、楽しんでできる業務や得意なものでなければ継続は難しいでしょう。

収入アップという目的があれば続けられると思う方がいるかもしれませんが、何らかの事情により働かなければならないという強制力がない限り、会社でも複業でも好きではないことを続けるのは大きなストレスになる可能性があります。 そこで、会社員が複業を選ぶ際には、楽しんでできることや自分自身が得意な業務に関連し、人から求められる分野を参考にするようにしましょう。

6.会社員が複業をする際のポイント

最後に会社員が複業をする際のポイントをお伝えします。

他の業務に支障が出ないようにする

複業を始めたからといって、他の業務に支障が出てしまっては、スキルアップなどは見込めません。
特に、複業を始めた頃は予期せぬトラブルが起きやすいので、業務のバランスを調整できるよう余裕をもってスケジュールを組むことが重要です。複業を始めてから会社での業務に支障が出るようでは、本業での昇給やスキルアップは望めなくなってしまいます。同時に周囲からの評価も下がってしまうでしょう。

まずは、どの業務でも互いに悪影響を及ぼさず、周囲に迷惑がかからないように努めることが大切です。

住民税に注意

複業を会社に黙って始めた場合、住民税でバレることがあります。
住民税の金額は収入によって変わるため、複業の収入が多くなれば会社からの賃金と住民税の比率が合わなくなります。

住民税の納税方法には、自分で計算して納める「普通徴収」と、会社が計算しての給料から天引きする「特別徴収」の2種類あります。

会社員の場合は給料から天引きする「特別徴収」になっているのが一般的です。「特別徴収」は会社が住民税を計算するため 、住民税の金額が高いと複業がバレてしまいます。内緒で複業を始めて後からトラブルにならないためにも、あらかじめ会社には説明をしておくことが大切です。

会社で複業の話ができるような環境や関係であれば「特別徴収」のままでもよいですが、あまり複業が歓迎されていない場合は、自分で確定申告を行う「普通徴収」にしておくほうが安心でしょう。

確定申告を行う

会社員をしながら複業を始める場合でも、複業で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。
20万円というのは経費などを差し引いた際の金額であるため、20万円以上の売上があっても経費の金額によっては不要になることがあります。

ただし、所得が20万円未満であっても、確定申告をすることで払いすぎた所得税が戻ってくるなどのメリットが得られる可能性もあるため、所得の金額に関係なく確定申告は行うほうがよいでしょう。

また、個人事業主は過去3年間の事業が黒字で本年度分の事業で赤字が出た場合、確定申告をすると損失の繰り戻しによって前年分の黒字と相殺できます。 所得税の還付や住民税の考慮を受けられる可能性もあるため、できるだけ確定申告は行うようにしてください。

7.まとめ

「複業」は本業が複数あることで、メインの仕事・サブの仕事といった順序を付けず、同時に複数の仕事に取り組む働き方です。そのため、何事にも意欲的な人や自己管理ができる人が向いているでしょう。ぜひこの記事を参考に、自分に合った複業を見つけてください。

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