フリーランスでコンサルはあり?メリットや気を付けたいポイントは何?
コンサルは企業として受けるだけでなく、フリーランスでも受けることができます。これからフリーランスで活躍したいと考えている方の中には、コンサルに興味がある方もいるのではないでしょうか。
今回は、フリーランスのコンサルについてご紹介します。
コンサルとはどんな仕事?
まずはコンサルの仕事内容や種類についてご紹介します。
コンサルとは?
コンサルとは、課題を抱えている企業や機関などから依頼を受け、問題の解決に向けた支援活動を行うことです。
コンサルを行う人をコンサルタント、コンサルを行う企業をコンサルティングファームと言います。
仕事の内容としては、依頼されたクライアントの課題について分析・情報収集を行い、結果をもとに対策を立て実施するなどが挙げられます。必要に応じて対策チームなどを作る場合もあるでしょう。
コンサルの役職
コンサルの役職は部長や課長、主任といったものではなく、担当する業務の範囲で決まります。コンサルの役職と主な仕事内容は下記の通りです。
<パートナー>
パートナーはコンサルティングファームの経営者であり、コンサルタントとしてのキャリアの最終段階です。企業によっては、ディレクターやヴァイスプレジデントと呼ぶこともあります。
他の企業や経営者に向けた営業のほか、ファームの価値を高める活動が主な仕事です。
<マネージャー>
マネージャーはプロジェクトの責任者です。プロジェクトの完遂まで全体を進行し、部下の管理やクライアントとの調整、予算の管理などを行います。
基本的には1人で多くの業務を担当することから、「マネージャー」になってはじめて一人前とも言われています。
<コンサルタント>
コンサルタントはプロジェクトの基柱となる部分を受け持ちます。仮説の検証や調査方法など具体的なプランを立て、アナリストに指示を出すのが主な仕事内容です。
<アナリスト>
アナリストはコンサルタントとしてのスタート地点です。主にコンサルタントから指示を受け、資料の作成や情報収集などを行います。
コンサルの種類
コンサルの内容は、コンサルティングファームによって主に6種類に分けられます。
<戦略系コンサルティングファーム>
戦略系コンサルティングファームの主なコンサル内容は、企業の経営上の課題を解決するための戦略やアドバイスです。
会社全体の課題解決に向けた戦略策定支援以外に、新製品開発戦略やマーケティング戦略など、さまざまな分野を手がけます。
<総合系コンサルティングファーム>
総合系コンサルティングファームは、あらゆる業界や幅広いテーマに対してサービスを提供するのが特徴です。
一般社員層からトップマネジメント層まで会社全体の企業課題をワンストップで行うことから、総合系コンサルティングと呼ばれています。
<財務系コンサルティングファーム(FAS)>
財務系コンサルティングファーム(FAS)は、M&Aや財務・会計分野に特化しています。特に財務面のコンサルは、M&Aに関するアドバイスや資金調達、投資戦略などが主な仕事内容です。
会計面のコンサルでは、クライアント企業へコストの削減、または会計業務フローの見直しなどから最適化支援を行います。
<人事系コンサルティングファーム>
人事に関連する分野を専門としているのが人事系コンサルティングファームです。
「人事系」といってもさまざまな領域があり、給与制度や評価制度の改革から人材能力開発、福利厚生や年金に関連するサービスなども提供します。
<医療系コンサルティングファーム>
医療系コンサルティングファームは、大学病院や介護施設などのヘルスケア分野のコンサルを行います。
医療系企業からの依頼を受けて、財務・収益・労務などの経営管理や経営戦略・事業計画の立案、オペレーションの改善、施設の建て替えや売却の支援など幅広く対応しなければなりません。
<再生系コンサルティングファーム>
収益性や資金繰りなどに問題を抱える企業の立て直しを行うのが、再生系コンサルティングファームです。近年ではコロナの影響を受けた再生ニーズを受け、ますます存在感が高くなっています。
また、財務・税務関係のコンサルも多いことから、会計士出身者やマネジメントコンサルティング出身者を歓迎するファームも多いでしょう。
フリーランスのコンサルとは?
続いて、フリーランスのコンサルの働き方やメリット・デメリットなどをお伝えします。
フリーランスのコンサルとは?
フリーランスのコンサルは、企業に所属せずに独立してコンサルのサービスを提供します。仕事内容は企業に所属する働き方と同じように、主に企業の内部では解決できない課題を分析し、アドバイスや業務改善の提案などを行い、解決に導くことです。
フリーランスのコンサルの働き方
フリーランスのコンサルの働き方は、大きく分けて「常駐型」と「リモート型」の2つです。
常駐型はクライアントの企業に直接出向いて、クライアントと直接コミュニケーションを取りながら問題解決のための提案やアドバイスをします。
一方、リモート型はクライアントの企業に出向かずに、自宅などから連絡を取り合って仕事を進める方法です。
フリーランスの報酬体系
条件によって異なりますが、フリーランスの報酬体系は主に以下の3つに分けられます。
タイムチャージ制 | 時給のように1時間あたりの料金が決まっており、コンサルのサービスを提供した時間に応じて報酬が発生する |
定額報酬制 | 契約期間中は業務時間にかかわらず、毎月一定の報酬が発生する |
プロジェクト方式 | プロジェクト単位で報酬が決まっており、1つの案件に対して報酬が支払われる |
フリーランスコンサルのメリット
フリーランスのコンサルとして働くメリットは、得意分野に集中して取り組める点です。会社勤めでは自分の得意分野だけを選んで取り組むことは難しいですが、フリーランスなら自分のスキルを活かし、集中して取り組めるでしょう。
さらに、クライアントとの契約次第で仕事時間や場所などの制限もなく、自由度の高い働き方ができます。
フリーランスコンサルのデメリット
フリーランスコンサルは自分で仕事を確保する必要があります。クライアントの問題解決だけでなく、案件を探したり営業をしたりといった活動も1人で行わなければなりません。常に仕事が確保できるとは限らず、収入が不安定になる場合もあるでしょう。
また、実績を積むまで社会的信用は低い傾向にある点もデメリットです。
フリーランスのコンサルで求められるスキル
フリーランスのコンサルでは下記のようなスキルが求められます。
<コミュニケーション能力>
コンサルはクライアントの課題の本質を聞きだし、解決するための方法を提案するのが仕事です。
特に、フリーランスのコンサルはすべてを1人で担当するため、コミュニケーション能力は欠かせません。
<プレゼン能力>
クライアントに対して、問題解決のための手段やアドバイスを的確に伝えるのもコンサルの重要な仕事です。
そのため、プレゼン能力が高い人はフリーランスのコンサルに向いています。
<思考力>
戦略を立てるために重要なのが論理的な思考力です。事実に基づいた論理的な戦略設計をし、仮説を立てることでクライアントに納得してもらえるでしょう。
<学習意欲>
フリーランスのコンサルを長く続けるためには、学習意欲も求められます。常に好奇心と向上心を持ち、興味のあることは積極的に勉強しましょう。知識が増えると仕事の幅が広がったり、プロジェクトのヒントになったりします。
<健康な心身>
1人ですべてを担当しなければならないからこそ、健康な心身が大切です。
自由度が高いフリーランスは、のんびりしすぎたり睡眠時間を削ったりして仕事をしてしまうと長続きしないでしょう。1人でもしっかり自己管理をし、健康な心身を保てる方に向いています。
<情報収集力>
エビデンスのある情報を伝えるためにも、フリーランスのコンサルは情報収集力も必要です。
データを探す調査力や、案件によってはヒアリングによる情報収集も大切でしょう。
フリーランスのコンサルになる方法
フリーランスのコンサルとして働く方法を6つご紹介します。
フリーランスエージェントに登録する
これまでコンサルとしての実績や経験がある方は、フリーランスエージェントに登録しましょう。フリーランスエージェントは登録者の経験やスキルに合う案件を紹介してくれます。
クライアントとの契約など、手間のかかる手続きもすべて代行してくれる点もメリットです。
コンサルマッチングサイトを利用する
コンサルマッチングサイトなら、コンサル専門なので案件を見つけやすいです。ただし、利用する前に取り扱い案件数や報酬の相場について、きちんと確認しておきましょう。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングでもフリーランスのコンサル向けの仕事があります。ただし、閲覧できる人が多い分、競争率が高い点に注意が必要です。
人脈を頼る
知り合いなどの人脈を頼るのも一つの方法です。仲介が入らないことでクラウドソーシングサービスやエージェントのような手数料がなく、報酬をすべて得られます。
特に、働き始めはフリーランスのコンサルとしての実績作りにもなるでしょう。
SNSを活用する
SNSを活用して自発的に情報発信すれば少しずつ知名度を上げられます。すぐに反響がなくても、長い目で活動することが大切です。
営業活動をする
セミナーや集まりに顔を出すほか、サイトなどで営業活動をする方法もあります。自分の専門分野・得意分野がはっきりしているほうが営業しやすいですが、基本的に即効性は期待できません。
フリーランスのコンサルとして活躍する際のポイント
最後に、フリーランスのコンサルとして活躍する際のポイントをお伝えします。
自分の得意分野やスキルを客観的に考える
コンサルに求められるスキルは多種多様なので、得意分野やスキルを事前に考えておくことで自分に合った仕事を見つけやすくなります。コンサルファームで働いていると会社のネームバリューで仕事ができますが、フリーランスになると、自分の価値をセルフプロモーションしなければなりません。まずは自分の得意分野やスキルを客観的に洗い出し、顧客に何を提供できるか考えましょう。
人脈を築く
幅広い人脈を築くことも、フリーランスのコンサルとして活躍するためのポイントです。すぐに仕事につながらなくても、人脈を築いておけば将来的に顧客になる可能性があります。そのため、できる限りセミナーや経営者の集まりに参加して、人と接することが大切です。
顧客とは長く付き合えるようにする
顧客を大切にし、長く付き合えるようにしましょう。大企業では、個人との直接取引を社内規定で禁止している場合が多く、フリーランスのコンサルは仕事を獲得するのが大変です。
そのため、一度でも仕事の依頼をいただいた顧客とは長く付き合えるよう、プロジェクトを成功させた後も、定期的にフォローするなど工夫をしましょう。
信用や実績次第で継続した仕事を同じ企業から得られる可能性があります。
料金体系について
コンサルの中には営業の一環として無料で相談対応をしているケースもありますが、線引きがあいまいだと報酬をめぐってトラブルになる可能性があります。
特に、フリーランスのコンサルとして活躍し始めたころは、報酬に対する考えがあいまいになりやすいでしょう。
売上にならない仕事が増える前に、あらかじめ無料相談の範囲や期間、料金体系について明示する必要があります。
健康に気を付ける
フリーランスのコンサルとして長く続けるためにも、健康に気を付けましょう。フリーランスは仕事の進捗管理以外に、自分の労働時間を管理する必要もあります。
あらかじめ予定していた労働時間以外のトラブルが発生したときも対応が求められるので、臨機応変に対応できるように健康な体が必須です。
まとめ
コンサルはフリーランスでも受けることができます。ただし、会社のネームバリューがないため、自分の得意分野やスキルを事前に考えて上手にセルフプロモーションしましょう。
フリーランスとして活躍するには、経験やスキルに合う案件を紹介してくれるフリーランスエージェントに登録してみてはいかがでしょうか。
RD LINKは理系専門職の複業支援サービスです。食品や化粧品、医薬品、バイオヘルスケア業界での知見を活かしたアドバイザリーなどの仕事に興味をお持ちの方、「働き方の選択肢を増やしたい」「これまで経験を活かして活躍の場を増やしたい」とお考えの方は、ぜひご登録ください。